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  1. 岐阜県議会 2017-02-01
    03月09日-03号


    取得元: 岐阜県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成29年  2月 定例会(第1回)…………………………………………………………………………………………… △議事日程(第三号)                 平成二十九年三月九日(木)午前十時開議 第一 議第一号から議第五十八号まで 第二 請願第二十九号から請願第三十三号まで 第三 一般質問…………………………………………………………………………………………… △本日の会議に付した事件  一 日程第一 議第一号から議第五十八号まで 一 日程第二 請願第二十九号から請願第三十三号まで 一 日程第三 一般質問…………………………………………………………………………………………… △出席議員 四十六人      一番   中川裕子君      二番   恩田佳幸君      三番   牧村範康君      五番   澄川寿之君      六番   山田実三君      七番   若井敦子君      八番   広瀬 修君      九番   布俣正也君      十番   伊藤英生君     十一番   水野吉近君     十二番   国枝慎太郎君     十三番   山田 優君     十四番   長屋光征君     十五番   高殿 尚君     十六番   田中勝士君     十七番   加藤大博君     十八番   酒向 薫君     十九番   高木貴行君     二十番   野村美穂君    二十一番   太田維久君    二十二番   山本勝敏君    二十三番   松岡正人君    二十四番   篠田 徹君    二十五番   小原 尚君    二十六番   水野正敏君    二十七番   脇坂洋二君    二十八番   野島征夫君    二十九番   伊藤秀光君     三十番   川上哲也君    三十一番   松村多美夫君    三十二番   平岩正光君    三十三番   佐藤武彦君    三十四番   森 正弘君    三十五番   小川恒雄君    三十六番   村下貴夫君    三十七番   矢島成剛君    三十八番   渡辺嘉山君    三十九番   伊藤正博君     四十番   足立勝利君    四十一番   尾藤義昭君    四十三番   駒田 誠君    四十四番   藤墳 守君    四十五番   早川捷也君    四十六番   玉田和浩君    四十七番   岩井豊太郎君    四十八番   猫田 孝君…………………………………………………………………………………………… △職務のため出席した事務局職員の職氏名  事務局長         宗宮正典 総務課長         松永吉平 議事調査課長       山田 恭 議事調査課管理調整監   福田勝司 同    課長補佐    浅井珠美 同    係長      豊田弘行 同    係長      佐橋 誠 同    係長      堀 寛宜 同    主査      森嶋 宏 同    主査      高田昌司…………………………………………………………………………………………… △説明のため出席した者の職氏名  知事           古田 肇君 副知事          岸 敬也君 副知事          上手繁雄君 会計管理者        宗宮康浩君 秘書政策審議監      工藤 均君 総務部長         坂口和家男君 清流の国推進部長     神門純一君 危機管理部長       市川篤丸君 環境生活部長       桂川 淳君 健康福祉部長       尾藤米宏君 商工労働部長       河合孝憲君 農政部長         高木敏彦君 林政部長         瀬上繁隆君 県土整備部長       高木善幸君 都市建築部長       酒向仁恒君 健康福祉部次長(医療・保健担当)              森岡久尚君 子ども・女性局長     鈴木裕子君 教育長          松川禮子君 警察本部長        山本有一君 代表監査委員       山本 泉君 人事委員会事務局長    近田和彦君 労働委員会事務局長    福井康博君…………………………………………………………………………………………… △三月九日午前十時開議 ○議長(矢島成剛君) 皆さん、おはようございます。ただいまより本日の会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(矢島成剛君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。…………………………………………………………………………………………… ○議長(矢島成剛君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。 発言の通告がありますので、順次発言を許します。十一番 水野吉近君。    〔十一番 水野吉近君登壇〕(拍手) ◆十一番(水野吉近君) 皆さん、おはようございます。 議長よりお許しをいただきましたので、岐阜県議会公明党を代表し、大きく五項目についてお伺いします。 知事におかれましては、さきの知事選において見事に四選を果たされ、心よりお祝い申し上げます。三期十二年の実績と信頼が県民に理解された結果であると確信します。引き続き知事が掲げる「清流の国ぎふ」づくりに一層の成果を上げていただくことを御期待申し上げ、質問に入らせていただきます。 初めに、来年度の財政運営について知事にお伺いします。 最初に、来年度の一般会計予算の姿について申し上げます。 来年度の予算規模は八千百十四億円で、対昨年十二億円、プラス〇・一%の微増となり、平成二十五年以降五年連続の増額予算となりました。 歳入では、県税が平成二十二年度以来七年ぶりの減予算で、前年度比四十三億円減のマイナス一・八%で二千三百四十三億円。地方譲与税が十二億円増のプラス三・六%で三百四十二億円、また借金に当たる県債は、国が償還財源を全額措置する臨時財政対策債が十四億円増となるものの、それを除く県債が十三億円の減で、結果として昨年並みとなっています。 一方、国庫支出金は、県が新たに国民健康保険の財政運営を担うことによる基金の積立等による増額などにより、四十億円増のプラス四・八%となっています。したがって、来年度の歳入予算は、自主財源である県税は減となるものの、国庫支出金など依存財源の増により昨年を若干上回る歳入予算を確保している形となります。 なお、今年度、平成二十八年度の当初予算は、県税が前年比百六十億円の増で、自主財源が増となったことで八千億円を超える積極予算を組むことができたと言えると思います。 今回、県税が減予算となった主な原因は、個人県民税の配当割及び株式等譲渡所得割が約三十五億円の減収の見通し、また地方消費税も約十一億円減収の見込みとなっており、海外経済や為替相場の動向が不透明なことの影響が出ていると思われます。ここ数年、県税の増加傾向が続いてきましたが、ここに来て減少に転じたことで県税収入増を背景にした予算編成が曲がり角に来ているものと言えると思います。こうした状況の中、来年度の歳出予算は、社会保障関係経費など義務的経費の増大への対応を踏まえ、防災情報通信システム等の整備が一段落したこともあり、普通建設事業費が減った形になっています。 しかし、普通建設事業は中期的には県庁舎の建てかえや東海環状自動車道の整備、地方創生に係る拠点整備費に加え、道路や県有施設等の長寿命化への対応など着実に進めていく必要があり、財源を確保していく必要があります。 そこで、知事にお伺いします。 七年ぶりに県税収入の減額が見込まれ、県税収入増を背景にした予算編成が曲がり角に来ている中、来年度どのような財政運営をされるのかお聞かせください。 次に、「清流の国ぎふ」を支える人づくりについて、三点お伺いします。 初めに、中小企業の人材の確保について知事にお伺いします。 知事は、来年度の県政運営について古田カラーを全面に打ち出し、「清流の国ぎふ」を支える人づくり、地域の魅力を活かした「清流の国ぎふ」づくり、安全・安心な「清流の国ぎふ」づくりの三本柱を掲げられました。今回は、その中から人づくりと安全・安心についてお伺いします。 最初の人づくりについては、昨日、各会派の代表質問でも議論がございましたが、私からも角度を変え質問をさせていただきます。 知事は、「清流の国ぎふ」づくりは人づくりからと、これまで推進してきた農業、林業、航空宇宙産業などの担い手育成・確保の取り組みを中小企業や観光業、建設業などへ拡充したいと述べられ、施策の一番目に人手不足が深刻化する県内中小企業への支援体制の構築を掲げられました。 これまでも本県では県外の人材を呼び込むため、企業説明会によるU・I・Jターンの推進や、東京・名古屋・大阪に拠点を設けて移住定住の推進を図ってきましたし、県内出身大学生等Uターン促進のための奨学金制度の導入や、産学金官連携人材育成定着プロジェクト等に取り組んできました。いずれも成果は上がっていますが、来年度はこれらに加え、新たに中小企業総合人材確保センターを開設し、中小企業の人材確保策を総合的に展開するとしています。 私は、こうした施策を展開するに当たっては、最近人手不足が顕著になっている原因を分析し、中小企業を的確に支援することが重要であると思います。 人手不足の要因は、私は以下の四点が考えられると思います。 一、少子化と団塊の世代の大量退職等により、十五歳から六十四歳の労働力人口が減少している。二、有効求人倍率が一を上回る状況が続き、求人側にとって競争が激しく、人の取り合いが続いている。三、かつて日本の工業を支えていた個人の技術力より、効率化とコスト減を優先させるようになったため、技能・技術を持った労働者が育たなくなった。四、低価格競争で人件費が削られ、人が集まらなくなった。 現在は、かつての就職難の時期に求人を出せば人が集まるような状況ではなく、企業側の求人活動の方法論を見直し、最適な手段を講じる必要性が出てきていると感じます。 独立行政法人労働政策研究・研修機構が調査し、昨年六月に発表した調査によれば、全国約二千四百社の企業のうち五二%で「人手不足が生じている」と回答しており、そのうちの六六%の企業が「経営に深刻、あるいは一定の影響を及ぼしている」と回答しています。 具体的には、「需要の増加に対応できていない」「技術・ノウハウの着実な伝承が困難になっている」となっています。また、人手不足に陥っている職場に勤める労働者のうち四人に一人が転職等を考えており、人手不足による残業の増加等で職場環境が悪化し、それが原因で従業員の離職を招き、人手不足がさらに深刻化するという悪循環に陥っているおそれがあると分析しています。 また、業種別では運輸業、郵便業、宿泊業、飲食サービス業、情報通信業で強い不足感があり、職種別では「正社員が不足」と答えたのは専門・技術職が最も多く、次いで営業を含む販売職、製造・生産工程職、事務職等となっています。また、非正社員では製造・生産工程職が最も多く、サービス職等がこれに続きます。また、人手が不足している理由は何かを尋ねると「人材獲得競争の激化」が最多で三分の二に上り、次いで「医療福祉など慢性的な人手不足産業である」や「離職の増加」「景気の回復に伴う事業の拡大」等となっています。 注目すべきは、人手不足対策への取り組み効果を実感している企業では相対的に、採用チャネルの多様化や応募要件の緩和等により中途採用を強化することや通年採用化、新卒定義の拡大、インターンシップの受け入れ強化等による新卒採用を強化する、非正社員から正社員への登用を進めることなど、採用方法の多様化等に取り組んでいる割合が高くなっています。 さらには、人手不足に対する今後の取り組みを尋ねたところ、約八〇%の企業が「従業員の教育訓練・能力開発を強化する」と回答。同じ質問を従業員にしても同じ結果となり、教育訓練・能力開発の強化は労使とも重要だと感じているとのことです。これらの結果から、中小企業の人手不足を支援するポイントは、企業側の中途採用を含む求人活動の見直しや、教育訓練・能力開発の強化などにあるのではないかと感じます。 先日開催された「清流の国ぎふ」づくり推進県民会議では、人づくり分科会を設置し、人材不足の深刻化が懸念される分野の課題や取り組みの方向性を検討していくことが話し合われたと伺っています。 そこで、県内中小企業の人手不足の現状を踏まえ、知事は今後どのような人材確保策を展開されるのかお伺いします。 二点目として、優秀な警察官の確保と女性警察官の活躍推進について、警察本部長にお伺いします。 新聞報道によれば、県警は来年度の警察官採用試験から、これまで用いてきた身長や体重などの身体検査基準を中部六県で初めて撤廃に踏み切り、さらには三十一歳未満に限られていた受験資格を三十五歳未満に引き上げることを発表しました。こうした条件を緩和する背景には、社会全体の人手不足があるようです。受験者の民間との併願がふえていることもあり、警察でも他業種との人材の取り合いになっています。 県警によると、今年度の採用試験の申し込みは千七百七十一人であったが、一次試験の受験者はおよそ半分の九百三十一人で、この傾向は拡大する傾向にあると同時に合格倍率も全国平均を下回り、年々低下しているとのことです。今後、毎年百人程度の退職者が出る中、警察業務はサイバーテロや外国人犯罪への対応など、求められる能力も多様化しています。採用試験では、情報処理や簿記の資格を持っている受験者には、一次試験の教養試験で加点するなど、多様な能力の人材確保にも努めています。 また、女性警察官の採用や登用の拡大も重要です。岐阜県警では、平成三十三年四月一日までに女性警察官を全体の一〇%程度にすることを目標にしており、昨年の十一月一日現在の状況は七・二%、二百五十五人となっています。最近はストーカーによる暴力、性犯罪など女性が被害者となる事案が増加しており、被害女性に寄り添う女性警察官の活躍はますます重要になっています。以上のように、女性を含む優秀な人材の確保は県民の安全・安心に直結するため、成果を上げていただきたいと思います。 さらに、今後は女性の視点による企画や提言を警察の施策に取り入れ、女性職員が出産・育児等を経ても一層活躍できる環境づくりを進め、多様な人材が能力を十分に発揮できる環境づくりにも努めていただきたいと思います。 そこで、警察本部長に優秀な警察官の確保と女性警察官の活躍推進について、今後どのように取り組むのかお伺いします。 三点目に、子育て支援「四つのゼロプロジェクト」についてお伺いします。 来年度予算では、子育て世帯への経済的支援として、新たに第二子以降の放課後児童クラブの利用料を減免する補助金が創設されます。これは市町村が利用料を減免する場合に、県がその費用を補助するもので、年収四百七十万円未満の世帯が対象です。これまでの第三子以降の保育料無償化への補助金や満十八歳未満の児童が三人以上いる世帯への病児・病後児保育の利用料無償化への補助金とあわせ、本県の子育て世帯への経済的支援はさらに拡充されることになり、子供を産み育てやすい環境が前進しました。 このような中、本県では第三次岐阜県少子化対策基本計画の中で、四つの子育て支援課題をゼロにすることを目標にした「四つのゼロプロジェクト」を市町村と一体となって推進しています。 この四つとは、一、保育所の待機児童ゼロ。二、放課後児童クラブ未実施小学校区ゼロ。三、ファミリー・サポート・センター未実施市町村ゼロ。四、病児・病後児保育未実施市町村ゼロです。 三つ目のファミリー・サポート・センターとは、地域において育児や介護などの援助を受けたい人と行いたい人が会員となり、育児や介護について助け合う会員組織による支援のことです。それぞれの取り組みは市町村が実施主体であることから、未実施市町村が抱える課題を的確に把握し、支援することが重要です。 子育て世帯への経済的支援が拡充される中、平成三十一年度末の目標達成に向け必要なサービスが必要な方に提供されるよう計画期間の折り返し地点とも言える来年度は、さらに成果が上がるようにしていただきたいと思います。 そこで、子育て支援「四つのゼロプロジェクト」の推進状況と今後の取り組みについて、子ども・女性局長にお伺いします。 次に、安全・安心な「清流の国ぎふ」づくりについて、四点お伺いします。 初めに、県有施設へのAEDの設置方法と周知についてです。 県では来年度新規事業として、交番、駐在所を含む県有施設にAEDの導入を進めるとして二千五百万円の予算が計上されています。これまでのAEDの県有施設への設置数は二百五施設、三百四十三台でしたが、新たに二百七十四施設、三百三十四台を設置することで、広く県民が利用する県有施設には必ず一台以上のAEDを配置し、既に設置済みの施設についても施設の性質や規模等を考慮し、追加配備するとしています。 東京都と神奈川県では全交番並びに駐在所にAEDを設置していますが、これに加え県有施設にも広くAEDを設置する本県の取り組みは、全国に先駆けての画期的な取り組みだと思います。AEDについては、平成二十七年第五回定例会において、田中勝士議員が設置・運用等の課題について幅広く取り上げておられますが、来年度から県有施設への導入が大きく前進することを踏まえ、私からも設置方法や周知についてお聞きします。 県は、これまでに県有施設におけるAED設置の実態把握を行っており、その有効活用に向けたルールづくりを進めるため、新たに県有施設におけるAEDの設置及び管理の基準を制定し、これに基づいて設置を進めていくと伺っています。これまで医師等に限られていたAEDの使用が一般市民にも可能になったことで、各地では心肺蘇生術として必ずと言ってよいほど使用方法の訓練が行われています。その際、重要となるのがその現場においてAEDがどこにあるのかの情報と、それが常時使用できる状態にあることです。 まず周知については、県有施設関係者や利用者はもちろん、市町村や自治会など近隣住民への周知をどのように行うかが重要であり、設置についても交番や駐在所など、住民に身近な施設ではAEDを屋外型収納ボックスへ設置するなど管理方法を工夫して、常時使用できるようにするなど効果的な運用をしていただきたいと思います。 そこで、県有施設へのAEDの設置方法及び周知について、今後どのように取り組むのか健康福祉部次長医療・保健担当にお伺いします。 次に、ICT--情報通信技術--を活用したモデル工事に対する効果と課題についてお伺いします。 建設産業においても人手不足は深刻な状況にあります。県内の建設業就業者の推移は、ピーク時の平成十二年と比較して二七%減少。特に、二十九歳以下は六一%も減少しています。新聞報道によれば、今後十年間で技能労働者の三分の一が離職するとの予想もあります。 人手不足の対応策としては、国では建設現場での全面的なICTの活用により生産性の向上を図るアイ・コンストラクションという取り組みを進めています。 例えば測量では、これまで多大な時間と労力をかけていたものをドローンによる空撮写真をもとに、短時間で高密度な地形の三次元測量ができるようになり、そのデータは設計や施工計画に引き継がれ、現況地形と設計図面を比較することで、切り土量や盛り土量を自動算出。施工では、3D制御機能を搭載したICT建設機械を三次元設計データで自動制御して効率よく行うというものです。私も、昨年六月にこうした技術を活用した東海環状自動車道の建設現場を視察させていただきました。県でもこうした国の動きに呼応し、ICTを活用したモデル工事を実施する予算が新たに計上されています。 また、社会資本の維持管理においても、タブレット端末やドローンを活用した河川管理施設の点検や砂防等施設の維持管理が進められる計画です。 しかし、県内の八割以上を占める中小の建設業者が、こうした最先端技術を扱うための人材育成や設備投資をするのは容易ではなく、実用化には時間がかかりそうです。まずは、時代の変化に対応した技術を扱える人材の確保や育成に取り組み、技能労働者一人当たりの生産性と建設現場の魅力向上につなげていくことが重要だと思います。建設業の人手不足は深刻ですが、こうした新しい技術を積極的に取り入れ実用化していくことは、建設業全体にとっても、災害に強いインフラ整備にとっても重要な取り組みです。 そこで、来年度、新たに実施するICTを活用したモデル工事に期待する効果と課題をどのようにお考えか県土整備部長にお伺いします。 ここで一回目の質問を終わります。 ○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) おはようございます。 二点御質問ございました。 まず、平成二十九年度の財政運営についてでございます。 本県財政は持続可能な運営に道筋がつきつつありますが、中・長期的に見まして県有施設の老朽化、社会保障関係経費の増加などの構造的な課題を抱える中で、「清流の国ぎふ」づくりの全面展開に向けた施策を積極的に進めていかなければならない状況にあります。 また、県税や地方交付税などの一般財源の今後の先行きも不透明であり、引き続き節度を保った財政運営を心がけていく必要があります。 そこで、平成二十九年度の財政運営について申し上げますと、まず歳入面では、県税収入が減少し、地方譲与税地方交付税などの増加を含めても、一般財源総額は減少の見込みということでございます。 これに対して歳出面では、先ほども申し上げましたように、社会保障関係経費などの義務的経費が増加となる中で、「清流の国ぎふ」づくりの全面展開に向けて必要な予算を確保していくということでございます。 このため、個別事業について、その必要性、有効性を十分に精査することに加えて、一区切りを迎える事業の予算減少分を優先度の高い事業に振り向けるなど、めり張りをきかせてきております。 また、道路等の公共事業予算は前年同額というふうにしておりますが、その中で道路や橋梁等の長寿命化対策を極力進めるとともに、県有施設の長寿命化対策についても計画的に取り組んでいくこととしております。 このほか、国の補助制度も最大限活用することとしております。 例えば海外誘客、海外販路の開拓などのソフト事業には、地方創生推進交付金を活用するとともに、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館のリニューアルなどのハード事業には、三月補正予算に前倒しをして地方創生拠点整備交付金を計上しております。以上のようなやりくりにより、積極的かつバランスのとれた予算編成に意を用いたところでございます。 今後、本県では東海環状自動車道西回り区間の整備や社会資本の老朽化対策を着実に進める必要がある中で、県庁舎の再整備も本格化してまいります。このため、今まで以上に各事業の優先度を厳しく見きわめるとともに、国等の外部資金の活用や計画的な基金の積み立てなども行いながら、引き続き節度ある財政運営に努めてまいりたいと思っております。 次に、中小企業の人材確保対策についてでございます。 県内の有効求人倍率は、昨年平均で一・七一倍と大変高い水準で推移しております。企業の求人活動はますます厳しさを増しておるということでございます。 県の産業経済振興センターの昨年の調査では、県内企業の五九%、製造業では六一%が人材不足であるというふうに報告されております。 また、岐阜財務事務所の昨年の十-十二月期の調査でも、雇用の過不足感は前年同期と比べて「不足ぎみ」が二・七ポイント拡大しております。特に中小企業においては、この拡大幅が五・八ポイントと顕著になっております。 先月開催いたしました「清流の国ぎふ」づくり推進県民会議、あるいは成長・雇用戦略意見交換会におきましても、一部を除いて総じて、企業同士の人の取り合い状態である、サービス・建設では特に深刻である、モノづくり現場でも確保に苦労しているといったような切実な声や、企業の魅力アップが課題、女性の復職やキャリアアップに取り組みたいといったような発言をるるいただいております。 こうした中で、議員からは企業側の求人活動の見直しと教育訓練・能力開発の強化がポイントであるという御指摘をいただきました。私もまさに共感するところ大でございます。 こうしたことから、県ではまずは企業側の求人活動を支援するという観点から、新たに開設する岐阜県中小企業総合人材確保センターにおきまして、求職者に選ばれる職場づくりや採用活動のノウハウといった採用力向上セミナーから専門スタッフによる個別相談まで、きめ細かくサポートする体制を整備してまいります。あわせて県内産業や企業の魅力を県内外に広く知っていただくため、新たに県内企業の情報を集約したポータルサイトを開設するほか、産学金官の連携による県内最大規模の企業展「オール岐阜・企業フェス」をさらに拡充するなど、企業とのマッチングの機会の拡大を図ってまいります。 次に、教育訓練等の強化により、企業や地域の産業が求める人材を育成・確保していくことも重要でございます。このため、県としても成長産業人材育成センター、国際たくみアカデミーなどにおける専門人材の育成を初め、工場長や現場管理者を対象とした階層別研修など業種別の具体的なニーズに応じた多様な支援を拡充してまいります。 このほか女性や高齢者等が活躍できる環境づくり、県出身大学生のUターン促進など若者の県内就職の促進、中小企業のIoT活用による生産性向上などを含め、人材確保・育成の課題に幅広く、総合的に取り組んでまいります。 また、以上につきましては、近く設置する「清流の国ぎふ」づくり県民会議の人づくり分科会でも精力的に御議論いただきたいというふうに思っております。 ○議長(矢島成剛君) 警察本部長 山本有一君。    〔警察本部長 山本有一君登壇〕 ◎警察本部長(山本有一君) 優秀な警察官の確保と女性警察官の活躍推進についてお答えいたします。 刑法犯認知件数の指標が改善する一方で、ストーカー事案、ドメスティック・バイオレンス事案や特殊詐欺事案、サイバー空間の脅威など複雑多様化する事態に対応するために県警察全体の対処能力の強化が必要であり、そのためには優秀な人材の確保が重要であると認識しております。 警察官採用につきましては、議員御指摘のとおり平成二十九年度より受験資格年齢の引き上げや、身体検査基準の撤廃、情報処理や簿記などの資格加点制度を拡充し、より優秀な人材の獲得に向けた取り組みを推進するとともに、警察官という職業の魅力をアピールするため警察学校の授業見学やソーシャル・ネットワーク・サービスを通じた情報発信などを行っております。 女性警察官の活躍推進につきましては、女性被害者に対する支援活動など女性の特性を生かした業務に限らず、これまで男性警察官が中心となって行ってきた犯罪捜査や暴力団対策など幅広い分野にも能力、実績に応じた女性の登用を行っております。 また、女性警察官の活躍できる職場環境づくりでは、女性警察官によるプロジェクトチームの提言を受けて、施設の改修整備、装備品の改良、女性職員専用相談システムの構築のほか、育児休業中の女性警察官に対する職場復帰支援プログラムの実施や、育児を理由に退職した女性警察官の再採用など、女性警察官が出産・育児などを経ても一層活躍できる勤務環境の整備を推進しているところでございます。 ○議長(矢島成剛君) 子ども・女性局長 鈴木裕子君。    〔子ども・女性局長 鈴木裕子君登壇〕 ◎子ども・女性局長(鈴木裕子君) 四つのゼロプロジェクトの進捗状況等についてお答えします。 県では、市町村に対する施設整備や人材の確保、育成などの支援を通じて、四つのゼロプロジェクトを推進しており、二年前の計画策定時と比べ待機児童は四人減少し二十三人に、放課後児童クラブ未実施校区は十五校区減少し二十四校区になっています。 また、ファミリー・サポート・センターの未実施市町村は一団体減少し九団体に、病児・病後児保育の未実施市町村は二団体減少し五団体になっています。 来年度の新たな取り組みとして、例えば待機児童対策では、現役の保育士が保育士養成施設の学生に保育士の魅力や働きがいを直接説明する研修を実施するほか、実務経験不足で就労に不安を抱える保育士試験合格者には保育所実習の機会を設けるなど保育士としての就労を促し、待機児童の解消につなげてまいります。 また、放課後児童クラブについても、国庫補助の対象とならないなどの理由で未実施となっている校区を持つ市町村を対象に、新たに県単独で開設費や運営費の助成を行い、未実施校区の解消に努めてまいります。これらにより平成三十一年度末の目標達成を目指してまいります。 ○議長(矢島成剛君) 健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君。    〔健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君登壇〕 ◎健康福祉部次長医療・保健担当(森岡久尚君) 県有施設へのAEDの設置方法及び周知についてお答えいたします。 県としては、県有施設にAEDの設置を進める上で、エレベーターホールや階段付近など施設利用者が容易にアクセスでき、かつわかりやすい場所で、可能な限り二十四時間誰もが使用できる場所に設置することとの基準を示したところです。 今後、新たにAEDを設置する予定の施設において、この基準を踏まえ設置場所を決定するなど本年夏ごろをめどに設置が完了できるよう進めてまいります。 次に、周知方法につきましては、パソコン、スマートフォンなどから閲覧できる県有施設AEDマップの更新を速やかに行うとともに、設置施設の管理者に対し、各施設の入り口などにAED設置施設であることを示す共通デザインの岐阜県AEDステッカーの掲示を求めてまいります。 さらに、県広報紙など県独自の広報媒体の活用や市町村と連携して自治会に情報提供を行うなど、積極的に周知してまいります。 ○議長(矢島成剛君) 県土整備部長 高木善幸君。    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕
    県土整備部長(高木善幸君) ICTを活用したモデル工事に期待する効果と課題についてお答えします。 建設分野へのICT技術の活用は作業の効率化や作業時間の短縮など生産性の向上が図られるほか、施工精度の確保や現場の安全性の向上などの効果が見込まれます。 また、建設業のイメージアップや作業の自動化などにより、若者や女性の人材確保にもつながると期待しています。 一方、ICTの導入には対応する機器や技術者の育成などが必要となり、企業にとって大きな負担となることが危惧されます。このため、県では来年度から工事の一部でICTを活用するモデル工事を数カ所程度実施し、広くICTへの理解を深めていただくとともに、その効果と今後の本格的な導入に向けた課題を検証することとしています。 県としましては、機器導入に対する補助制度や技術講習会の開催などの国の取り組みを周知するとともに、建設関係団体など関係者の意見を伺いながらICTの活用を進めてまいります。 ○議長(矢島成剛君) 十一番 水野吉近君。    〔十一番 水野吉近君登壇〕 ◆十一番(水野吉近君) 次に、先月から始まったプレミアムフライデーについて知事にお伺いします。 皆様も御承知のとおり、先月二月二十四日の金曜日からプレミアムフライデーがスタートしました。月末の金曜日の終業時刻を十五時に繰り上げることで、週末の小売や飲食などの消費活動を喚起するだけでなく、旅行など地方への波及効果や働き方改革にもつなげることを狙い、経済産業省と経団連や小売などの業界団体が官民合同で取り組みを開始したものです。 初めてのプレミアムフライデーは、東京など都市部を中心に実施した企業が多く、飲食店や大手デパートなどではプレミアムフライデーにちなんだイベントや割引サービスを展開、また退社後に足を伸ばして、夕方には温泉に入り、旅館で会社の同僚と夕食をともにするなど、ふだんできないことを楽しむ女性社員の声などが報じられ、初めてだけに経済効果は限定的であったものの、余暇を楽しむことや働き方への意識改革にはつながったのではないかと感じています。 県内でもその動きは同様で、盛り上がりは限定的であったとか、導入が困難な中小・小規模企業からは、限られた人数でやりくりする中で導入は難しいと冷ややかな反応もあったとのことです。 今回のプレミアムフライデーの取り組みをネガティブに捉えることは簡単ですが、映画「君の名は。」の聖地巡礼がブームとなり、飛騨市にこれまでにない観光客が訪れるようになるなど、何がきっかけとなるかわからないため、プレミアムフライデーをチャンスと捉える取り組みに私は期待したいと思います。 先日開催された岐阜県政策研究会では、県内の観光客数や消費額は年々増加傾向にあり、宿泊者数の伸びは全国の伸び率を上回っていること。岐阜圏域の河川環境楽園など、各圏域では核となる観光地が多くあり、飛騨以外の四圏域では八割が東海地方からの来県であることなどの傾向があることが示されました。このことから、プレミアムフライデーをきっかけに家族や友人と金曜の夜に宿泊し、翌日の土曜日には県内を一日観光して帰宅し、日曜日は自宅でゆっくり過ごすことが可能になるなど、アピールの仕方によっては観光客数や消費額のさらなる拡大につながる可能性は十分にあると思います。商工会連合会や観光連盟、旅行代理店とも連携し広くPRするなど、本県でもプレミアムフライデーを契機に県内がより活性化することが期待できます。 そこで、知事にお伺いします。 取り組みがスタートしたプレミアムフライデーを契機とした県内活性化への期待や効果について、どのようにお考えでしょうか。 また、プレミアムフライデーをきっかけに県職員の働き方改革が進むことにも期待したいと思います。 本県の職員は年次休暇の一人当たりの年平均取得日数が平成二十七年度で十・六日と四十七都道府県中三十三位となっており、仕事が忙しく上司に遠慮して休めないのか、休暇の取得が進んでいません。もちろん全職員が十五時に帰宅することはできませんが、交代で月一回のプレミアムフライデーを楽しんでいただき、官民連携による効果が県内に波及し定着するよう期待したいと思います。 安倍総理は先月、座禅を組んでリフレッシュしたことが報じられていましたが、古田知事もぜひ職員の先頭に立ってプレミアムフライデーを実践していただき、県内の魅力をトップセールスしていただきたいと願うものであります。 そこで、知事にお伺いします。 プレミアムフライデーを契機とした県職員の年次休暇の取得促進について、どのように取り組まれるのかお考えをお聞かせください。 最後に、発達障がいのある児童・生徒への支援強化について、二点お伺いします。 発達障がいなど障がいのある子供たちが小・中学校の通常学級に在籍しながら週一回程度、別室で授業を受ける通級指導は担当教員不足が指摘される中、教員定数の改善が決まり、二〇一七年度から安定的、計画的に増員されることになりました。 通級指導は、幼少期から障がいに応じた学習指導と生活訓練に取り組むことで、障がい児が抱える苦手な分野の克服に効果を上げています。文部科学省によると、通級指導に通う児童・生徒は年々増加しており、二〇〇六年度からの十年間で四・一万人から九万人へと倍以上に上昇しています。通級形態は在学する学校で指導を受ける自校通級は四六・五%、近隣の学校や特別支援学校に通う他校通級は四六・六%、自校に巡回してくる教員から受ける巡回指導は六・八%となっています。 これに対し、通級指導担当教員数は都道府県の要望に対し八七%しか配置できずに不足しており、通級指導に通えない待機児童や他校通級がふえる原因となっています。 このような中、来年度の国の予算に六百二人の担当教員の増員が盛り込まれ、これにより本県でも通級指導の充実が図られ、発達障がいのある児童・生徒の支援が強化されることに期待が広がります。 そこで、本県の通級指導について、学校や保護者の要望に応えるため担当教員数や通級指導教室の拡充に今後どのように取り組まれるのか、教育長にお伺いします。 また、文部科学省の統計で通級指導を受けている全国の児童・生徒数を小・中学校別に見てみると、中学校は小学校の十分の一以下となっており、在学期間が半分であることを考慮しても希望者がかなり少ないことがわかり、この傾向は本県においても同様かと思います。 その理由は、小学校から中学校に上がるまでの間に特別支援学校等に編入したり、中学生ともなれば他人の目が気になる時期でもあることから、本人や保護者が希望しなくなるといったことが考えられます。 しかし、発達障がい等のある生徒にとって本当に必要な支援を継続的に受けることが重要であるため、生徒が利用しやすい仕組みをつくっていく必要があります。 そこで、こうした中学校における通級指導の課題に対し、今後どのように取り組まれるのか教育長にお伺いします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) プレミアムフライデーについて、二点お尋ねがございました。 考えてみますと、先週の金曜日、私は議会答弁の打ち合わせにほとんど時間を費やしておったようでございますし、今月は三十一日が最後の金曜日でございますので、恐らく年度末の人事異動、その他行事がめじろ押しでございますので、どういう工夫ができるかというのを今からちょっと悩まないかんのかなと、そんなことを思って御質問を伺っておりました。 このプレミアムフライデーでございますが、買い物、あるいは家族との外食・観光など幸せや楽しさを感じられる体験への時間の創出を促すということで、労働時間の短縮と生活スタイルの変革への機会になると。そして、これとともに消費拡大につなげていくと、こういう取り組みだというふうに理解しております。 去る二月二十四日の初回の取り組み状況としましては、早帰りを実施した企業については、新聞報道などによりますと、全国では大企業を中心に百三十社程度にとどまっているということでございまして、甚だ限定的だったというふうに言われております。 県内企業もいろいろ聞いてみますと三社程度というふうに承知しておりまして、交代制で一部社員が早期退社したり、工場の製造ラインをとめて工場全体で退社をされたというふうに聞いております。 今後でありますが、県内の経済団体から聴取しますと、今のところ導入の予定はないというふうに報告を受けておりますし、また個々の企業ではごく一部において導入を検討されているというものも見受けられますが、その多くからは、製造現場であるため導入は難しいと、あるいはサービス業は相手がいるので導入は困難といったような消極的な声を伺っております。 一方、プレミアムフライデーを期待する利用施設の側では、統一ロゴマークの使用申請件数が全国で四千三百件、県内では二十六件ございました。これによって、例えば大型商業施設での販売促進イベントやホテルでの特別宿泊プランなどが実施されております。今回参加した施設の関係者からは、まだまだ浸透しておらず、多くは様子見の状態であるが、継続して取り組んでいきたいといった今後に期待する声を伺っております。 プレミアムフライデーの取り組みは働き方改革の一環であり、企業の魅力向上として人材確保の面から学生等へのセールスポイントにもなり得るというふうにされておりますが、まだまだスタートラインに立ったところでございます。今後の浸透状況を十分見きわめてまいりたいと考えております。 次に、職員のこのプレミアムフライデーを契機とした年次休暇の取得ということについてでございますが、私どもも年次休暇の計画的な取得の一環として、プレミアムフライデーの取得を呼びかけたところでございます。 この導入初日は、県庁内においては他の金曜日と比べてさほど有意な変化は見られませんでしたが、年次休暇を取得した職員からは、「土曜日の日帰り旅行の予定を金曜日からの一泊二日とすることができた」、あるいは「子供のスイミングスクールの進級試験に立ち会うことができ、子供の成長を実感できた」といったような感想も寄せられております。 もともと本県職員の年次休暇の平均取得日数は、他の都道府県に比べて低い状態であります。こうしたプレミアムフライデーの取り組みなどと連動して、年次休暇の計画的な取得促進を図っていく必要があるというふうに考えております。このため引き続きプレミアムフライデーの活用を呼びかけるとともに、人事管理対策会議において年次休暇を十分に取得できない要因を分析し、改善を進めてまいりたいと考えております。 また、来年度実施します事務事業棚卸しプロジェクトにおきましても、所属ごとの事務量、困難度を踏まえて定数の適正配置に努め、業務時間の短縮や業務の効率化、時間外勤務の縮減を図ってまいります。これがまたプレミアムフライデーの取得につながってくればというふうに思っております。 ○議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。    〔教育長 松川禮子君登壇〕 ◎教育長(松川禮子君) 発達障がいのある児童・生徒への支援強化について、二点御質問がありました。 初めに、通級指導の担当教員や通級指導教室の拡充の取り組みについてお答えします。 通級指導教室は、通常学級に在籍しながら支援を必要とする児童・生徒に対する特別支援教育の中核的な役割を担っています。保護者や学校からの設置要望は年々ふえ続けており、小・中学校における通級指導教室は、この十年間で約二・四倍に増加しています。そのために必要な教員は、国に加配を要望することにより確保してまいりましたが、十分とは言えない状況です。担当教員の確保については、こうした状況を改善するため義務標準法の改正により、来年度以降十年間で段階的に基礎定数化され、現状より安定的に配当される見通しです。 しかし、その数は現段階でははっきりしておりませんので、国の動きを注視しながら、各県の実情に応じた制度設計となるように国に要望してまいります。 また、通級指導教室の拡充については、巡回指導の導入に向けた研究を行うなど、設置が難しい学校でも必要な支援を受けることができるような支援体制のあり方を検討してまいります。 次に、中学校における通級指導の課題への取り組みについてお答えします。 岐阜県においても通級指導教室に通っている児童・生徒数は、小学校に対して中学校では少ない状況となっています。これは小学校六年間で通級による指導を受けたことにより状態が改善したこともありますが、保護者や学校からは、友達と違う授業を受けることに対する心理的な抵抗感があることなどが原因だと聞いております。支援を必要とする生徒のためには、このような抵抗感に配慮した利用しやすい支援のあり方を研究し、そのモデルを構築する必要があります。 そこで、来年度は垂井町と連携し少人数指導の授業において、さらに少人数のグループを編成し、学習障がいや自閉症等の特性に応じた課題に取り組む個別支援教室を設置したいと考えております。 具体的には、対象生徒の選定や授業内容の開発、支援体制の整備等の研究に取り組んでまいります。こうしたことにより、小学校から高校まで必要な支援が途切れないような体制をつくっていきたいと考えております。 ○議長(矢島成剛君) 八番 広瀬 修君。    〔八番 広瀬 修君登壇〕(拍手) ◆八番(広瀬修君) それでは、発言通告に従いまして今回は大きく二つの項目について順次質問をさせていただきます。 まず初めに、一つ目の大きな項目として、女性の活躍推進のあり方についてお尋ねします。 現在、我が国は今まで経験したことのない少子化、高齢化、高齢化から超高齢化、さらには人口減少による働き手の不足や消費の低迷など、さまざまな諸問題や諸課題を抱えています。そのような問題・課題は一つを解決すればそれで大丈夫というものではなく、それぞれが絡み合って大変難しいものであることは周知の事実であります。 しかし、そこで手をこまねいているわけにはいかないわけで、昨年の四月、国におかれては女性の働きやすい環境づくりなどをうたった女性活躍推進法が施行され、さらに昨年の六月、政府により一億総活躍プランが閣議決定されました。その中で女性の社会参画を推進する政策が掲げられ、保育所の整備などの子育て支援策や女性が社会で活躍できる環境の整備などがうたわれています。 この国におけるさまざま問題・課題は我が岐阜県においても例外ではなく、最も鍵になる女性に対する子育て支援策や社会で活躍できる環境の整備などに取り組まれているところであります。 ここで、新聞記事からの抜粋ではありますが、二つの事例を御紹介させていただきます。 まず一つ目ですが、男性・女性の性別による役割分担意識や、長時間労働是正へ向けた幹部社員の意識改革、保育所整備や放課後児童クラブへの支援、または助成といった保育環境の整備が必要であります。そのような中、女性の活躍推進や子育て支援の取り組みに関する協定を損保ジャパン日本興亜と県は今月の一日に締結されました。 次に、二つ目の記事ですが、民間企業の取り組みとして日本生命保険とニチイ学館は、企業が従業員と地域住民向けに設ける企業主導型保育所を全国に約百カ所新設し、岐阜においてはカラフルタウン岐阜に開設予定となっているとのことです。 また、本県におかれては、女性の活躍推進を一歩も二歩も前に進めるため新たな取り組みとして、昨年の十二月十四日に各界の代表者等を構成員とする清流の国ぎふ女性の活躍推進会議を設置されたところであります。 この推進会議の設置要綱には、第一条、目的として、急速な人口減少や少子・高齢化の進展に伴い、地域の活力の低下や労働力不足が懸念される中、女性の力を最大限に発揮し、豊かで活力のあるふるさと岐阜づくりを実現するため、オール岐阜県で連携して女性の活躍を推進するとうたわれています。 この清流の国ぎふ女性の活躍推進会議は、団体九人、各検討委員会九人、行政五人と全部で二十三人のメンバーで構成されています。さらに、その中の検討委員会は三つに分かれていまして、それぞれ、女性の労働力率が二十五歳から三十四歳の年齢層で低下することから名づけられているM字カーブの底上げのためのM字カーブ底上げ検討委員会。本県において、全国に比べても企業の女性管理職登用が低い順位となってしまっていることに対する女性管理職登用検討委員会。働くだけでなく、子育てなど総合的な支援体制を検討する女性の活躍総合支援体制検討委員会となっており、おおむね七人から八人のメンバーで構成されているところであります。現在の諸課題を解決するために本当によく考えられたものであり、私は大変期待しているところであります。 ここで、それぞれの全メンバーにおける女性メンバーの人数に目を向けてみますと、女性の活躍推進会議は二十三人中九人、M字カーブ底上げ検討委員会は七人中四人、女性管理職登用検討委員会は八人中四人、女性の活躍総合支援体制検討委員会は八人中六人となっています。さすが女性の活躍を推進するということだけあって、メンバー中にしっかりと女性が入り、意見を言う場が設けられているなというところは思うところであります。 しかし、もう少しよく見てみますと、さきの三つの検討委員会の委員長・副委員長は全て女性であり、逆に男性の委員長・副委員長は一人もいません。各検討委員会において、一人の委員長と二人の副委員長がいますので、三つの検討委員会掛ける三人で合計九人となり、この九人が上部組織である清流の国ぎふ女性活躍推進会議のメンバーとなっているわけです。 一方、この推進会議のメンバーといいますと、この検討委員会の九人のメンバー以外は全て男性ということになっています。推進会議の座長は岐阜県経営者協会会長の小野木さんと伺っていますが、なぜ検討委員会の委員長・副委員長は全て女性なのか。たまたまなのか、はたまた男性ではいけない理由があるのか。上部組織である推進会議の女性委員の割合を上げるため、そのメンバーとなる検討委員会の正・副委員長は女性としたのかなどいろいろな理由を考えてはみましたが、私の頭の中では具体的な検討を進める検討委員会の正・副委員長が女性で占められていることに少し違和感を覚えるのですが、皆さんはいかが感じられるでしょうか。 冒頭お話をさせていただきましたが、女性の活躍を推進していくためには、言うまでもなく一つのことだけを解決すればよいというものではなく、幾つもの課題が糸のように複雑に絡み合っていて大変難しいものです。せっかく立ち上げていただいたこの推進会議ですので、少しでも実のあるものにしていくためにも幅広い意見を聞き、あらゆる角度から意見を言えるようにしなければいけないと私は考えます。例えば公募で関心の高い一般の方を募集するとか、子育て中の女性がよく利用する児童館の方や保育士の方が直接推進会議に入っていただくなど、または検討委員会に入っていただくなど、いかがでしょうか。 改めて申し上げますが、せっかくできた推進会議です。私の中には、このメンバー構成のあり方を見て、幅広く多方面にわたって議論ができるのだろうかという不安もあります。 そこで、子ども・女性局長にお尋ねします。 清流の国ぎふ女性の活躍推進会議における議論の多面化についてお考えをお聞かせください。 次に、細かく二点目、少し視点を変えた男性の活躍推進という考え方についてお尋ねします。 これは女性への政策だけでなく、男性もなおざりにせず目を向けてほしいと言いたいわけではありませんので、皆様方におかれましては誤解のないようによろしくお願いいたします、もちろんちょっとはありますが。 私には子供が二人います。今はもうなれましたが、十年ほど前、小学校のPTA役員を初めてしたとき、PTAの会議というのは昼間の会議が多いわけで、その会議や行事に出席するわけですが、出席者のほとんどが女性で、あの人は暇なのかななどと言いたげな視線を感じ、非常にその場にいづらい思いをしたことを覚えております。 また、最近では夕方、家で仕事をしていたとき、中学生の息子に「お父さん、暇なの」などと言われてしまいました。何を言いたいかと申しますと、女性の活躍を推進していくためには男性の働く環境のほか、地域社会とのかかわり方なども変えていく必要があり、その中には男性の気持ちや会社の働かせ方を変えていくだけでなく女性や家庭、さらには地域社会での考え方を変えていかなければいけないと言いたいわけです。男性中心と言われてきました社会から、女性も男性も全ての人が活躍できる社会に変わっていくことが大事であると、当たり前なわけですが、言いたいわけです。 そこで、子ども・女性局長にお尋ねいたします。 よくイクメンという言葉が取り沙汰されているわけですが、男性の活躍推進についてどのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。 次に、細かく三点目、個人の意向を大切にした活躍推進の考え方についてお尋ねします。 女性の活躍推進というと、働くということを私は何となくイメージしてしまいます。 しかし、個人の考え方は多様であり、ばりばり働きたい人、子育てをすることに幸せや生きがいを感じている人、ボランティアをしたい人、専業主婦で家庭、家族のために一生懸命頑張りたい人などさまざまではないでしょうか。 今、国におかれては、人口減少による労働力不足の解消のため女性や外国人を働き手として考え、その支援体制、環境整備を行っているわけですが、国だけではなく地方、そして本県においても例外ではありません。 しかしながら、先ほど申しましたとおり考え方は十人十色さまざまあり、それぞれが希望する活躍像に対して配慮しながら、どのように支援体制や環境整備を整えていくのか、バランスのとり方が非常に重要であります。女性の活躍が家の外でばりばり働くことを目指していると誤解され、それ以外の働き方を選択した方が肩身の狭い思いをするようなことがあってはいけません。女性も男性もみずからが希望する形で、自信を持って活躍できる社会になってほしいと期待しています。 そこで、子ども・女性局長にお尋ねします。 個人の意向を大切にした活躍推進ということに対してどのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。 次に、細かく四点目、女性起業家の育成に対する支援についてお尋ねします。 女性の活躍推進や働き方改革を応援するさまざまなサービスを提供する県の総合支援機関として、女性の活躍推進支援センターが昨年本格オープンいたしました。どのようなことがこの支援センターで行われているかといいますと、就労・子育て相談、こころのモヤモヤ相談、法律相談、こころの相談などの各種相談、イクボス養成講座、エクセレント企業の取り組み発信などの企業支援、キャリアデザイン講座、社会人異業種交流や岐阜で活躍する女性交流会などの交流事業などであります。 我が会派、県政自民クラブの今議会代表質問においても、藤墳議員が女性の活躍推進計画における県内企業の女性管理職比率達成に向けた取り組みについて御質問をされているわけですが、女性起業家を誕生させることも管理職をふやす一つの手段ではないかと私は考えます。簡単に企業の管理職をふやすよりも、起業家を一人ふやすということも一つの手段ではないかということであります。 以前、私はある女性から次のようなことをお聞きしました。 その女性は二年ほど前、起業して会社をつくりたいと、まず県庁の担当課に伺いましたら、「ふれあい会館の中にある産業経済振興センターに行ってください」と言われ、同センターに行ったそうです。そこで、「私、起業したいのですが」と相談し始めたら、「開業に当たって資金はどれぐらい準備しているの」と尋ねられ、「資金はゼロです」と答えると、「それじゃ無理だね、やめたほうがいいよ」と言われてしまったそうです。確かに自己資金がゼロと聞くと、本当に計画を持って考えているのかとも感じますが、全く資金なしで起業することは不可能だとも言い切れません。それに、相談者の話をよく聞き、資金が要るのであるならば資金調達方法を一緒に考えるなどすることもできたのではないかと私は思います。 昨年、女性の活躍支援センターが本格的にオープンを迎えたため、担当課にこのお話をさせていただき確認しましたところ、現在、女性の起業に対する相談業務があった場合は専門的知識を有する産業経済振興センターと連携をとって、相談業務に当たっていくということでありました。そうであるならば、女性の活躍支援センターと産業経済振興センターとのつながりがとても重要となってくるわけでありますが、先ほどお話ししたような対応の仕方のままでは全く機能しないということになります。 そこで、産業経済振興センターを所管していらっしゃる商工労働部長にお尋ねします。 女性起業家の育成に対する支援について、今後どのように進めていかれるおつもりでしょうか、お尋ねをいたします。 続きまして、大きく二つ目の項目、県立高校・特別支援学校の管理職の適材確保についてお尋ねをいたします。 日本の国力といいますとたくさんあるわけですが、私は、一つは人、すなわち「人財」ではないかというふうに私は考えます。もちろん国だけではなく地方、本県も同じく「清流の国ぎふ」づくりにおいては、人が大きなウエートを占めているわけであります。 その人を育てるために大事になってくるのが教育であります。もちろん家庭や地域など、人を取り巻く環境も重要であることは言うまでもありませんが、やはり学校教育が人の成長に与える影響は多大なものがあると思うわけであります。 世界を含めグローバル化や情報化が目まぐるしいスピードで進展し、それに伴い社会環境も激しく変化していく中において、いかにして時代の変化に対応できるだけの能力を子供たちに身につけてもらおうか。また、最近ではいじめの問題、それに起因した自殺への対応、不登校児童・生徒への対応、特別支援の教育を必要とする児童・生徒への対応、心が病んでしまった教職員への対応、さらには団塊世代の大量退職による新人教職員への対応などなど、教育を取り巻く環境における課題はますます多様化し複雑になり、細分化しているところであります。 当然、これらの課題に対応するために、学校の組織運営やマネジメントにおいて管理職に求められる資質や能力が、これまでよしとされてきた考え方では対応し切れないような状況があるのではないかと私は考えます。 過去、松川教育長は、管理職を対象とした組織マネジメント能力向上を図る研修や学校事故を初め危機管理全般への対応の能力を高めるためのリスクマネジメント研修を実施していく、さらには管理職の組織マネジメント能力の強化を行っていくと議場で答弁されています。 そこで、細かく一点目として、管理職に求められる資質と能力の考え方について、教育長に改めてお尋ねをいたします。 続きまして、細かく二点目、管理職への昇任基準の明瞭化と幅広い人材の登用についてお尋ねをいたします。 一般的に、県立高校・特別支援学校において、管理職とは校長、副校長、教頭、部主事のことを指します。この管理職の昇任基準を教育委員会の担当課から見せていただきましたが、まず昇任対象者は、年齢・教職経験年数・免許状保有といった要件のほか、勤務成績が極めて優秀であること、身体が健康であること、管理職としての適性を有することといった、以上六つの条件を全て満たすものであり、所属長、ここでいうと校長になるわけですが、所属長が責任を持って推薦する者となっています。そして、選考方法はというと、県教育委員会において、推薦の内容、勤務成績、過去の推薦状況等を総合的に審査の上、選考するとなっています。 一方、小学校・中学校における管理職試験、登用には論文、面接、校長評価という一次試験と、集団討論などさまざまな面接を通して行う二次試験があり、一次試験は誰でも受けたい人が受けることができるということでした。 ここで、何で同じ管理職を登用するのに、小学校・中学校では意欲があれば誰でも試験を受けることがオーケーなのに対して、県立高校や特別支援学校は所属長の推薦がなければ受けることすらできないのか。所属長の推薦を受けて選考対象になったとしても、推薦内容や過去の推薦状況等を総合的に審査して選考するってよくわからない方法だなと。なぜ同じ教職員の管理職なのに、こんなに方法が違うんだろうと疑問を感じるのは私だけでしょうか。 県立高校・特別支援学校における管理職登用においては、言葉を選ばずに言えば、校長のおめがねにかなった人しか昇任することができず、革新的な考え方の人が登用されにくいというような状況になり、結果的に校長によい評価をしてもらいたいがためにイエスマンばかりにならないか。どの校長の下につくか、またはどこの高校に配属されるかなどによって大きく左右されるのではないかと心配といいますか、疑念、疑惑が私の中には浮かんできます。 一方、一般的な昇任基準とは別に行われている多面的な評価による幅広い人材登用を実現することを目的とした若手教頭面接の実施要項を見てみますと、対象者として昇任基準と同じく所属長から推薦を受けることが要件となっており、年齢は五十五歳以下とされています。 このような昇任基準や若手教頭面接の制度では、管理職としての力や資質はあるのに、管理職登用というチャンスにすらめぐり会っていない人がまだまだたくさんいるのではないか。また、年齢等基準に当てはまらない意欲と能力のある人材をどう救い上げていくのか等々、問題点があるように私には思います。 冒頭、教育を取り巻く環境は目まぐるしく変化し、問題も多岐にわたり、マネジメント能力がとても重要になり、今までの考え方では対応し切れていないのではないかとお話をさせていただきましたが、多少組織に異物が入っても私はいいのではないかと思いますし、そのほうが組織は活性化するのではないかとも考えますが、いかがお考えでしょうか。 以上の点を踏まえまして、教育長にお尋ねをいたします。 管理職への昇任基準の明瞭化と幅広い人材の登用について、どのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。 最後ですが、平成二十九年度教員採用試験は、小学校二・八三倍、中学校三・六六倍、高校五・八一倍、特別支援学校四・四〇倍でありました。この新しく教員になられた方々に対して、本県の教育は何を目指し、何を実践しているのか。また、本県で教員として勤める魅力は何かなどを常に考えてもらうことにより、将来の管理職候補者への育成にもつながっていくのではないでしょうか。 管理職に魅力を感じる教員が少ないとか、生涯現役として教壇に立ちたいといった意向が強い教員が多いといった話も私は聞き及んでいますが、優秀な管理職人材を育成するための中間層の人材育成が不可欠であります。中間層の意欲のある人材が適切なキャリアデザインを描くためのモチベーションを維持するためにも、所属長の推薦に左右されるような不明瞭な昇任のあり方は私は疑問を感じます。何度もお話しさせていただきますが、さまざまな課題への対応が管理職に求められている現代、これまでの考え方では対応し切れていない状況の中、将来の学校組織の運営を担う管理職候補者の重要性は言うまでもありません。 そこで、教育長にお尋ねをいたします。 県教育委員会といたしまして、どのように県立高校・特別支援学校の管理職候補者の育成と確保を行っていかれるのでしょうか、お尋ねをいたします。 今回の質問において、女性の活躍推進のあり方については四点、そして県立高校・特別支援学校の管理職の適材確保については三点お尋ねをさせていただきました。それぞれ明瞭でわかりやすい前向きの答弁を期待しまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。    (拍手) ○議長(矢島成剛君) 子ども・女性局長 鈴木裕子君。    〔子ども・女性局長 鈴木裕子君登壇〕 ◎子ども・女性局長(鈴木裕子君) 女性の活躍推進のあり方について、三点御質問をいただきました。 初めに、清流の国ぎふ女性の活躍推進会議における議論の多面化についてお答えします。 まず推進会議の構成については、経営者層の意識改革の旗振り役を期待して、各経済団体等の代表の方々に委員をお願いしており、これらは現状では男性主体となりますが、加えて女性活躍について知識・経験が豊富な学識経験者、企業の管理職、子育て支援を担うNPOなどの女性の方々にも委員をお願いすることにより、行政関係者を除いた男女比は半々となっております。 また、検討委員会は、推進会議のもとで、直面する課題をきめ細かく議論するのにふさわしい方々として、推進会議の女性委員に子育て支援エクセレント企業、就労支援や福祉の相談窓口、労働団体の関係者、男女共同参画審議会の公募委員の大学生などが加わり、こちらも男女に偏りのない構成としております。 正・副委員長は、それぞれの課題の議論をリードするために最も適切な方として推進会議座長及び検討委員会の委員の皆様の了解を得てお願いしているものであり、必ず女性でなければならないといった考え方には立っておりません。 いずれの場においても幅広い多角的な視点で、活発かつ示唆に富む意見をいただいておりますが、今後、検討委員会の議論に際し、必要であれば新たな委員や講師などの参加を検討してまいります。 次に、男性の活躍推進という考え方についてお答えします。 男女共同参画の観点からは、男性・女性という性別役割分担意識にとらわれることなく、本人の希望に応じて個人として能力を発揮できる機会が得られる社会の実現が求められています。 県としては、男性は仕事、女性は家庭という性別役割分担意識を取り除いていくため、引き続き男女共同参画フォーラムや男性の家事・育児参画に取り組む企業内研修などを開催してまいります。 また、ワーク・ライフ・バランスにすぐれた子育て支援エクセレント企業の認定拡大を図るなどの取り組みを通じて働き方改革を進め、男性も仕事だけでなく家庭生活や地域活動も含めて生き生きと活躍できる環境づくりに取り組んでまいります。 最後に、個人の意向を大切にした活躍推進の考え方についてお答えします。 女性の活躍推進に当たっては、女性みずからの意思が尊重されなければならず、例えば就労するかしないかはみずからの主体的な選択によるもので、強制されるものであってはなりません。女性活躍推進法においても、みずからの意思によって職業生活を営み、または営もうとする女性がその個性と能力を十分に発揮すること、また専業主婦等家庭生活に専念するという選択も尊重されることを前提として、女性の活躍を推進することとされております。 県としては、性別による役割分担意識の解消を図るとともに、男女がともにみずからの意思に基づいてさまざまな分野の活動に参画できるよう支援してまいりたいと考えております。 ○議長(矢島成剛君) 商工労働部長 河合孝憲君。    〔商工労働部長 河合孝憲君登壇〕 ◎商工労働部長(河合孝憲君) 女性起業家の育成支援についてお答えをいたします。 経済産業省の調査によると、女性の起業時の課題は、経営や事業に必要な知識やノウハウの不足が多く、そして望む支援策としては、同じような立場の人との交流の場、あるいは先輩起業家や専門家による助言や指導を期待する割合が男性に比べ高くなっております。 このため、本県では起業を目指す人たちが集まり、基本的知識や事業計画の作成等を学ぶ起業家育成塾を開講しております。今年度は男性四名に対し女性七名の参加があり、女性受講者からは、「スキルアップができた」、「事業計画の練り上げに役立った」などの声が聞かれたところでございます。 また、先輩経営者や金融機関等からアドバイスを受ける起業応援マーケットを開催するとともに、県産業経済振興センターよろず支援拠点では、さまざまな分野の専門家を配置し相談・助言を行っているところであり、今後も女性起業家の育成に向け、そのニーズ、御期待に十分対応できるよう女性の活躍支援センターとの連携をさらに強化し、取り組んでまいります。 ○議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。    〔教育長 松川禮子君登壇〕 ◎教育長(松川禮子君) 県立学校管理職の適材確保について、三点御質問がありました。 初めに、管理職に求められる資質と能力の考え方についてお答えします。 県立学校は、急激な少子化や産業構造の変化、多様化する生徒のニーズなど、さまざまな課題に対応していく必要があります。 このため、例えば小規模化の進行が急なグループ一の十校については、今年度から協議会を立ち上げ取り組みを進めておりますが、校長には高校の活性化策を地域と一体となって推進する力が求められております。また、今春開校する高等特別支援学校においては、障がいのある生徒を企業就労させるため協力企業を開拓し、個々の企業との信頼関係を構築する力も必要となります。このように管理職には、学校を柔軟な視点で経営し、先頭に立って牽引する力などが必要であると考えております。 次に、管理職への昇任基準の明瞭化と幅広い人材の登用についてお答えします。 県立学校には、普通科高校、専門高校、特別支援学校などそれぞれの専門性がある上に、生徒や保護者、地域から学校に求められる役割は多様であり、学校が抱える課題もさまざまです。そのため学校の運営を任される管理職には、おのおのの学校の状況に適した異なる見識や能力が必要であり、その登用に当たって一律の基準により選考することは困難です。同様に、現行の昇任基準も管理職候補者を推薦する目安として示しているものです。 こうしたことから、県立学校の管理職の選考と配置については、任命権者である県教育委員会が適材適所の観点から行っています。その際には校長の推薦だけではなく、学校訪問や人事評価などの情報をもとに総合的に判断しております。したがって、推薦がなくても適材と判断すれば、管理職に選考することとなります。 また、幅広い人材の登用につきましても、各学校の将来構想や特色に応じミッションを遂行できる適任者であれば教員以外の人材の登用も検討してまいりたいと考えております。 最後に、管理職候補者の育成と確保についてお答えします。 管理職候補者を確保するためには、四十歳前後の中堅教員から計画的に育成していく必要があります。そのため、校長は教員個々の適性を見ながら学年主任など責任ある立場を命じ、将来の管理職としての能力を高めさせています。 また、高等学校と中学校や特別支援学校との教員交流で異校種を経験させたり、学校勤務以外にも教育委員会事務局での勤務や企業で働く研修を通して政策遂行能力、折衝能力、経営能力を身につけさせて、視野の広い管理職の育成に努めているところです。 ○議長(矢島成剛君) 三十九番 伊藤正博君。    〔三十九番 伊藤正博君登壇〕(拍手) ◆三十九番(伊藤正博君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に基づきまして大きく二点、一つは航空宇宙産業分野の人材育成・確保について、もう一点は障がい者、特に特別支援学校高等部の就労支援について、それぞれお尋ねいたしたく存じます。 最初は、航空宇宙産業の振興について、いろいろお尋ねをしてまいります。 岐阜、愛知、三重の東海三県の航空宇宙産業は、国内シェアの約五〇%を占めております。中でも岐阜県に立地する航空宇宙関連企業が約五十社、全国二位に上り、製造品出荷額が国内シェア一四%を占めるなど、これからもさらに成長が見込める航空宇宙産業の集積地を形成している現状でございます。 また、中小型機・リージョナル機を中心に民間航空機の新規需要は今後二十年間で倍増すると予想されております。生産拡大に対応するための人材の育成と確保が喫緊の課題となっております。 一点目は、かかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアル計画についてお尋ねをいたします。 これまでも、さまざまな視点でこの博物館リニューアル計画についてお尋ねをしてまいりましたが、本日はいよいよリニューアルに向け建築工事や展示制作が進み、開館まで約一年となった現状での、新たなより魅力的な展示計画についてお尋ねをしたいと存じます。 まず新たな魅力的な展示計画について、知事にお尋ねをいたします。 岐阜県では、これまで岐阜県成長・雇用戦略において、航空宇宙産業の製造品出荷額倍増プロジェクトを最重要プロジェクトに位置づけをし、人材育成の強化、生産拡大の支援、県内航空宇宙産業のPRなどに積極的に取り組んでおられます。 その中でも、航空宇宙に関する国内有数の専門施設でありますこのかかみがはら航空宇宙科学博物館を人材育成や県内航空宇宙産業の情報発信拠点として活用するため、岐阜県と各務原市と共同で基本構想、基本計画をつくり、リニューアル後の名称は「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」として、「岐阜」の文字を頭に入れ、「科学」を抜いた名称となりました。 これまでの整備計画の概要によれば、リニューアル後には延べ床面積が現在の一・五倍になる一万二千百九十二平米、展示面積は現在の一・七倍になる九千四百二十一平米となり、航空宇宙専門博物館としては国内最大級になります。 また、昨年九月には古田知事が訪米をされ、アメリカ・ワシントンDCにあります世界最大級のスミソニアン航空宇宙博物館や、アメリカ航空宇宙局NASAも訪問され、アジアでは初めてとなります。特に、スミソニアン博物館の運営組織であるスミソニアン協会と岐阜県及び各務原市との間で連携協定が締結されたところであります。今後、さまざまな展示物の賃借や、学芸員等の交流などに大いに期待をいたしておるところであります。 そこで、知事にお伺いをいたします。 これまで計画発表された以外に、新たな魅力的な展示計画としてどのようなものを考えておられるのか、お尋ねをいたしたいと存じます。 次に、開館までの博物館のPR方法及び土産物やグッズの開発状況、さらには愛称・ロゴマークの応募状況と決定までのスケジュールについてお聞きをいたします。 先ほどから申し上げているように開館まで約一年となりましたが、この一年の間にどのようにこのリニューアル後の博物館のアピール、PRをしていくのか。また、土産物としての新たなグッズ開発の準備状況について、担当の商工労働部長にお伺いをいたします。 先ほども申し上げましたように、博物館の新たな名称は、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館になります。 現在、収蔵庫では新たな目玉展示となります「飛燕」が胴体と翼やエンジンが分解された状態で展示されております。昨年の十一月から現在まで、この収蔵庫には約一万人の方々が見学に訪れられております。分解された「飛燕」は現在の収蔵庫しか見られない貴重なものであり、この状態をもっとPRをし、リニューアル後の博物館の展示計画内容とともにパンフレットにし、県内外のさまざまな観光施設などでPRすることが必要ではないかと考える次第であります。また、来館者の楽しみの一つに来館記念の土産物などの新たなグッズ販売も大変重要な要素であります。 そして、この博物館の愛称を募集してはどうかと昨年御提案をさせていただきましたが、早速その提案を採用いただき、昨年の十一月からことしの二月まで全国各地から愛称募集されたとお聞きをいたしております。 そこで、一点目は、開館まで約一年と迫ったこれからの一年間において、リニューアルする博物館のPRをどのように行っていくのか。また、来館記念の土産物としてのグッズ開発等の状況はどのようになっているのか。 二点目は、愛称募集、新ロゴマークの応募状況と、今後決定するまでのスケジュール等はどのように考えておられるのか。以上、二点について商工労働部長にお尋ねをいたします。 次に、航空宇宙産業分野の人材育成と確保の視点の中で、県立岐阜工業高校内でのモノづくり教育プラザの充実と、同高校に来年四月開設予定の航空宇宙学科の内容について、それぞれ教育長にお尋ねをいたします。 航空宇宙産業への就業意欲の向上や質の高い若手人材の育成を図るため、岐阜工業高校に、この四月運用開始予定のモノづくり教育プラザが整備されます。モノづくりの魅力や、航空宇宙産業に必要な知識、航空機部品の切削加工、リベット打ち、組み立て検査などの基本的な技能を産学官の連携のもとに習得するための特別授業を実施するものとお聞きをいたしております。 また、今定例会議案には、このモノづくり教育プラザ(二期)の整備建設計画予算も計上されているところであります。 県内で航空宇宙産業関連企業への就職者が最も多い岐阜県立岐阜工業高校において、昨年、平成二十八年四月に航空宇宙産業教育の分野では全国で初めて文部科学省のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールに指定され、間もなく一年が経過をいたします。これまでの産業界からの要望や同校の取り組みを踏まえ、さらなる産業教育の充実を目指すため、先ほど申し上げましたモノづくり教育プラザ(二期)の整備に着手されるものと伺っております。 そこでまず、モノづくり教育プラザのさらなる充実を図るため、次の三点について教育長にお伺いをいたします。 一点目は、この一年間のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールにおける航空宇宙産業教育における成果と課題はどのようなものであったのか。 二点目は、モノづくり教育プラザの第一期、第二期整備計画における主な教育内容と産業界との連携がどのように図られているのか、現状と計画についてお尋ねをいたします。 三点目は、岐阜工業高校以外の航空宇宙産業分野に関心のある工業系高校生に対してどのような対応を検討、計画されているのか。 以上、三点をお聞きいたしたいと思います。 次は、岐阜工業高校における航空宇宙学科の新設についてお聞きをいたします。 過日の新聞報道でも大きく取り上げられておりましたけれども、来年二〇一八年度、平成三十年度から岐阜工業高校内に航空宇宙学科を新設する方針を固めたという記事が掲載されておりました。 そこで、この岐阜工業高校内に新設が予定される航空宇宙学科の内容等について、教育長にお尋ねをいたします。 県教育委員会では、この岐阜工業高校の現在ある八学科を再編し、二〇一八年度から航空宇宙産業の教育を重視した学科を新設し、即戦力となる担い手を育てるとされております。先ほども申し上げましたが、既にこの四月より岐阜工業高校内にモノづくり教育プラザを開設し、さらに来年に向けて同施設の二期計画も予定されております。 昨年十月の議会代表質問にて私は、この航空機関連に関する学科新設をぜひ早急に検討を進めていただきたいという御提案をさせていただいたところでありますけれども、また、隣、愛知県においても、この四月から小牧工業高校において学科編成が行われ、航空産業科が新設をされ、定員四十名でスタートするともお聞きをいたしております。 そこで、教育長に次の二点についてお聞きをいたします。 この航空宇宙学科の教育内容と来年受験する中学校へのPRなどはどのように考えられているのか。 二つ目、航空宇宙を重視した学科を設置するに当たって、生徒を指導する先生方、教員の育成研修はどのように行われるのか。 また、産学官の連携も非常に重要であり、より実践的な教育が必要であると考えますけれども、今後どのように進めていこうとされるのか。これら二点について教育長にお伺いをいたします。 次には、人材育成・確保に関する最後でございますけれども、昨年十一月に各務原市にあるテクノプラザ内に開設された航空宇宙産業など成長分野の人材育成を推進する岐阜県成長産業人材育成センターの取り組みについて商工労働部長にお尋ねをいたします。 これまでも申し上げてまいりましたが、航空宇宙産業は今後二十年間で民間航空機の新規需要が二倍以上に拡大すると予想され、大きな成長が期待されております。 実際に、県内の航空機附属部品製造業の出荷額は、平成二十一年度から二十六年度にかけて八二%以上増加をし、従業員数も二四%増加という成長を遂げております。 しかし、一方で、少子化や県外への人材流出により優秀な人材の確保が厳しさを増しているのも現状であります。 特に、企業の大部分を占める中小企業では、単独で人材育成を行う余力は残念ながら乏しく、高度な技術を持った人材の育成が困難な状況となっております。この成長産業人材育成センターの館内には三十人から百五十人を収容する研修室を初め航空機の製造組み立て技能や非破壊検査技術習得のための学習室などが整備されております。 そこで、商工労働部長に次の点についてお聞きをいたします。 今後の成長産業人材育成センターにおける航空宇宙分野の人材育成に関する計画と目標人員はどのようになっているのか。さらに、企業との連携はどのように行っていこうとされるのか、以上についてお尋ねをいたします。 大きな二点目、次には高等特別支援学校の就労支援体制と今後の取り組みについて、教育長にお伺いをいたします。 これまで障がいのある子供たちを受け入れる特別支援学校の整備も進み、支援学校を各圏域に整備され、十年前に十二校だった県立の特別支援学校は、二〇一七年度に二十校までふえることになりました。県教育委員会の推計によりますと、支援学校の児童・生徒数は二〇一八年度ごろまでにピークを迎える見込みとされており、受け入れ体制の整備は間に合ったということにされております。 一方で、生徒の皆さんの就職率は、景気の回復傾向で全国平均は上がっているものの、県内就職率は横ばい状態が続いております。(資料を示す) 本日お手元に配付をさせていただいた特別支援学校高等部の知的障がい者の卒業者数と就職率の推移のグラフ、表をごらんいただきたいと思います。 平成二十三年度から昨年の平成二十七年度までの障がい者卒業数は少しずつ増加をしており、ことし平成二十八年から平成三十年度の三カ年を見ると、さらに卒業生はふえる傾向にあります。 一方、先ほど申し上げましたが、これら卒業生の就職率は過去五年間を見ても横ばい状態にあり、三五%前後を推移しております。この四月には、就職に特化した岐阜清流高等特別支援学校が岐阜市内に開校をいたします。軽度の知的障がい者の人を対象とし、企業実習を通じて生徒さんに合った就職先を在学中に探すのがこの学校の特徴となっております。 県教育委員会は、今後こうした高等特別支援学校の機能を県内各地に広げる方針とも伺っております。産業界の人手不足の解消という観点からも、こうした高等特別支援学校卒業生の果たす役割は大変重要であるというふうに思います。 そこで、教育長への最初のお尋ねとして、次の二点についてお聞きをいたします。 一点目は、この四月にスタートする岐阜清流高等特別支援学校以外の高等特別支援学校の今後の整備計画はどのようになっているのか。 二点目は、高等部卒業生の就職率を向上させるための高等特別支援学校の就労支援体制と今後の対策はどのように考えられているのか。 以上、二点についてお尋ねをいたします。 一方、岐阜県教育委員会では平成二十二年十一月に、特別支援学校と企業が一体となって職業教育や就労支援を進める「働きたい!応援団ぎふ」登録制度を創設され、六年半ほどが経過をいたしました。昨年、平成二十八年二月末現在で六百八十四社にサポーター企業として登録していただいているとお聞きをいたしました。地域で働き、地域に貢献できる人材を育成するために、学校と企業が一体となって職業教育、就労支援を進めるというものであります。 具体的なサポート内容としては、職場見学や就労体験、企業内作業学習、就労推進などがあるとお聞きをいたしました。これまで約六年間、こうしたさまざまな活動、取り組みが行われているにもかかわらず、残念ながら就職率は三五%前後で推移をいたしております。特別支援学校高等部卒業後に一般企業に就労して、自立したいと考えている生徒はたくさんおります。今後ますますサポーター企業をふやす努力と、就労に結びつく企業との連携活動が必要ではないかと考えます。 そこで、教育長へのお尋ねの最後は、この「働きたい!応援団ぎふ」の登録企業に対する支援体制の充実はどのように考えておられるのか。 特に、私は受け入れ企業側にもう少し受け入れてもらうための努力、受け入れ体制づくりでありますとか仕事の分担や作業内容の見直しなどが必要ではないかというふうに思います。企業へのさらなる働きかけが大切であると考えます。この四月に岐阜清流高等特別支援学校が開校するに当たり、ぜひ積極的な取り組みを期待いたしまして、以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) かかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアル計画についてお尋ねがございました。 このリニューアル後の岐阜かかみがはら航空宇宙博物館では、技術の進化を切り口に人類の航空宇宙に対する挑戦の歴史を俯瞰できる、まさに日本を代表し、世界に通用する航空宇宙博物館を目指しております。 既に発表したところでは、航空分野では世界で唯一現存する三式戦闘機「飛燕」の実機とゼロ戦初号機の実寸大模型、宇宙分野では最新鋭探査機「はやぶさ2」と国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の実寸大模型。さらには、アメリカのスミソニアン航空宇宙博物館から借り受ける第二次大戦期の貴重なエンジンなどを展示することが決まっております。 これらに加えて、新たに人類で初めて空を飛んだ歴史の始まりであるライト兄弟の動力飛行機「ライトフライヤー」の実寸大模型や、JAXA--宇宙航空研究開発機構--の探査機「かけはし」の熱構造実験モデル、さらにNHKが撮影用に製作した火星で現在活躍中の探査機「キュリオシティ」の実寸大模型も展示することといたしました。さらには、昨年連携協定を結んだスミソニアン協会の協力により、今後とも魅力的な展示物をお借りできるのではないかと期待しております。 加えて、同博物館のアンバサダーに就任いただく山崎直子宇宙飛行士からも、スペースシャトル搭乗記念としてNASAから搭乗した方のみに贈られたスペースシャトルと地上の発射台をつなぐナットの実物を提供いただきます。これは、現在プレオープンとして公開している収蔵庫で来月から先行公開いたします。 このほかに、コレクターの方々からは飛燕の計器など航空機部品の収集品を、航空宇宙関連企業からは航空機部品をそれぞれ提供のお申し出を多々いただいております。これらは企画展のような機会を通じてお披露目したいと考えております。私自身も、かつて通商産業省時代に企画開発に加わった宇宙実験観測装置フリーフライヤーの模型を提供することとしております。 またNASA--米国航空宇宙局--やJAXA--宇宙航空研究開発機構--が所有する迫力ある映像ソフトをシアターや各展示ゾーンで上映したいと考えております。こうした迫力にあふれた豊富な展示品や映像ソフトを活用して新たな企画を次々と打ち出していくことにより、人類の航空宇宙開発の歴史の魅力と感動を県民の皆様、とりわけ子供たちや若い方々にしっかりとお伝えしてまいりたいと考えておりますので、御期待いただきたいと思います。 ○議長(矢島成剛君) 商工労働部長 河合孝憲君。    〔商工労働部長 河合孝憲君登壇〕 ◎商工労働部長(河合孝憲君) 航空宇宙産業の振興について、三点お尋ねがございました。 まず、航空宇宙博物館の開館までのPRとグッズ開発の状況についてお答えをいたします。 博物館のPRにつきましては、これまで映画祭などの各種イベントや愛称の募集とともに、収蔵庫をプレオープンし、リニューアル後のイメージや展示物の一部を先行公開しております。 今後は収蔵庫の展示内容をさらに拡充し、より集客力を高めるとともに、今月末の大西宇宙飛行士の講演会など年間を通したイベントの開催、各種メディアや県内外の集客施設等を活用したPRなど広く全国に情報を発信してまいります。 また、グッズの開発につきましては、今年度実施した国内外の類似博物館十五施設の実態調査を踏まえ、現在、当博物館にしかない展示機体のミニチュアなどの試作品を製作中です。今後はこれを県内企業等に公開し、新たな商品を広く募集するとともに既存商品のブラッシュアップも含め、この博物館でしか買えない、魅力ある商品をそろえてまいります。 次に、愛称・ロゴマークにつきましては、昨年十一月二十五日から去る二月十五日まで、新たな博物館の愛称とロゴマークのアイデアを募集しましたところ、北海道から沖縄県まで四十二都道府県から愛称八百三十七件、ロゴマークのアイデア千四百九十二件の応募がございました。今後、リニューアル検討委員会の有識者の皆様や県政モニター、そして現在オープンしている収蔵庫の来館者の方々などに広く意見を伺い、その後、六月を目途に決定をし、リニューアルオープンのPRに向け大いに活用してまいります。 最後に、産業人材育成センターについてお答えいたします。 当センターでは、航空機製造の構造組み立てや非破壊検査を学ぶ実習設備を備え、企業在職者を対象に国内大手の三重工が共同で開発した認定プログラムによる技術者育成を初め、各種の研修を実施しております。 さらに、来年度からは、航空機部品として多く使用されるアルミや炭素繊維複合材料の検査ができる設備を追加整備するなど非破壊検査研修を拡充し、そして経済産業省と連携して国際基準の検査技術者資格の取得を支援してまいります。これにより二〇二〇年度までに三千五百人の航空宇宙産業人材の育成を目指してまいります。 また、航空宇宙分野の専門コーディネーター三名を県研究開発財団に配置し、総合支援体制を構築することとしております。今後は、このコーディネーターを中心に関連企業とのさらなる連携を図り、航空宇宙分野のさまざまなニーズを的確に捉えながら、より実践的な人材育成に取り組んでまいります。 ○議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。    〔教育長 松川禮子君登壇〕 ◎教育長(松川禮子君) 三項目八点の質問をいただきました。 まず、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールにおける航空宇宙産業教育の成果と課題についてお答えします。 岐阜工業高等学校は、平成二十八年四月に航空宇宙産業の分野等に関する工業教育の取り組みとして、全国で初めての文部科学省のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの指定を受けました。三年間の指定期間の一年目に当たる今年度は、基礎実習を行うための環境整備やカリキュラム開発等に取り組んでまいりました。 今後は、航空機の部品設計、製造加工、組み立て、試験・検査までの一連の過程を学習し、高度な部品設計や製造にも対応できる人材を育成するためのカリキュラムや教材を開発することが課題であると考えております。 次に、モノづくり教育プラザの教育内容、産業界との連携、岐阜工業高校以外の高校生への対応について、あわせてお答えします。 本年四月にオープンするモノづくり教育プラザの一期分で整備した施設・設備を活用して、航空機部品の加工、組み立てなどの基礎実習を引き続き行います。 また、今後整備するモノづくり教育プラザの二期分では、実物の航空機やエンジンなどを用いて航空機の部品設計、製造加工、組み立て、試験までの一連の過程を通した総合的な実習を行います。これらのモノづくり教育プラザを活用した教育を進めるに当たっては、実習やインターンシップにおいて、県内にある航空機関連企業や試験研究機関と連携するとともに、岐阜工業高校以外の生徒も利用できるようにするなど、県内全域で産業界のニーズを踏まえた人材育成を進められるよう努めてまいります。 続いて、岐阜工業高校における航空宇宙学科の新設について、二点お答えいたします。 県教育委員会では、平成三十年四月に岐阜工業高校の学科を改編し、航空機械に関する学科を設ける方向で検討を進めています。 この学科では、航空機部品の製造加工に関する基礎実習を一年生で、実際の航空機やエンジンを用いた応用実習を二・三年生で行います。また、県内中小企業の方にも御協力をいただき、インターンシップや地元企業の見学などの機会を充実させるとともに、岐阜工業版デュアルシステムとして、企業から与えられる航空機製造に関する課題を生徒自身が解決する学習活動を実施するなど、産学官が連携して地域産業を支える人材育成に取り組んでまいります。 来年度受験する中学生に対しては、学校見学会や一日体験入学、中学校へ出向いての説明などを通して、この学科で学ぶ教育内容等について積極的に周知してまいります。 教員の研修については、今年度に行った企業関係者と高校教員が共同で教材作成から実習までを行う仕組みを継続するとともに、モノづくり教育プラザを活用した研修を新たに実施します。 最後に、障がい者の就労支援について、三点お答えします。 初めに、就職率向上に向けた高等特別支援学校の整備計画につきましては、その機能を県内各地域に整備していく方向で検討しており、特別支援学校や高等学校の余裕教室を活用して軽度知的障がいのある生徒が増加している地域から整備していきたいと考えております。 具体的には、今春開校する岐阜清流高等特別支援学校の次は西濃地域を考えており、平成三十年四月の開校を目指して、大垣特別支援学校北校舎の整備費を新年度予算に計上したところでございます。その次には可茂地域を考えており、整備地の検討に着手したいと考えております。 次に、高等特別支援学校の就労支援体制と今後の対策についてお答えします。 今春開校する岐阜清流高等特別支援学校においては、ハローワーク、障がい者就業・生活支援センター等の関係機関や、専門コースの協力企業から成る就労支援ネットワーク会議を設置し、連携した支援を行うこととしております。今後、各地域に整備する高等特別支援学校においても同様の体制を整え、就労に向けた支援を行ってまいります。 さらに、全ての特別支援学校と業界団体や企業グループとの協定を積極的に締結し、障がい特性に応じた業務内容を共同で開発するなど、雇用に直結するような連携体制の強化を図っていきたいと考えております。 最後に、「働きたい!応援団ぎふ」登録企業への支援体制の充実についてお答えします。 「働きたい!応援団ぎふ」登録制度は、登録企業による特別支援学校の実習の受け入れと卒業生の直接的な雇用を目的としており、制度開始以来、多くの企業に登録をいただいております。 現在、登録企業において特別支援学校の実習を受け入れる体制が構築され、実習の実施回数や就職した生徒数は着実に増加しておりますが、県全体の就職率向上のためには登録企業の障がい者雇用に向けた取り組みを促進する必要があります。そこで、高等特別支援学校としても、それを支援する体制をつくりたいと考えております。 具体的には、企業で障がい者採用の経験のある就労支援コーディネーターを設置し、企業に対して生徒の特性や能力について理解を促したり、障がい者を受け入れる体制について助言を行ったりしてまいります。…………………………………………………………………………………………… ○議長(矢島成剛君) しばらく休憩いたします。 △午前十一時五十七分休憩 …………………………………………………………………………………………… △午後一時再開 ○副議長(佐藤武彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(佐藤武彦君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三十一番 松村多美夫君。    〔三十一番 松村多美夫君登壇〕(拍手) ◆三十一番(松村多美夫君) それでは、議長さんから発言の許可をいただきましたので、今回は大きく分けて四つの問題につきまして質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず最初に、地方創生の中でも、大都市圏からの移住定住の取り組みについてお伺いをいたします。 二〇一四年に国が策定したまち・ひと・しごと創生総合戦略は、二〇二〇年までに東京と地方の転出入を均衡させるという目標を掲げました。具体的には、現在十万人を超える東京圏、すなわち東京、千葉、埼玉、神奈川への転入超過をゼロにするとしております。 しかし、先日、総務省統計局が発表いたしました平成二十八年の住民基本台帳人口移動報告書を見てみますと、東京圏への転入超過は二十一年連続して起こり、転入超過数は十一万七千八百六十八人でした。ちなみに、岐阜県は二〇一五年より百六十三人減少したものの、五千三十一人と相変わらず五千人を超える転出超過となっております。国が策定した二〇二〇年に転出入を均衡させる目標の達成は大変困難な状況にあると言えるのではないでしょうか。 東京圏への人口移動は、十五歳から二十九歳までの若い世代に集中しており、こうした東京を初めとする大都市への若い世代の移動は、やはり進学を初め雇用や住環境、給与、最新の情報、大都市への憧れなどがあり、自然の動きと考えられるのではないかと思います。 国は地方で年間十万人の雇用を創出し、東京への転入をゼロにする目標を立てておりますが、この程度の雇用創出規模では東京への転出超過がゼロになるとは到底考えられません。国内から大勢の人が集まる二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、一極集中が加速することも考えられます。 現在、岐阜県の有効求人倍率を見てみますと、岐阜地域で二・〇七倍もあり、県全体でも一・八倍であります。しかし、地元企業に人がなかなか集まらないのはなぜでしょうか。私はそこらの問題を根本的に考え直す必要があるのではないかと考えます。 全国各地域の総合戦略を見てみますと、ほとんどが従来続けてきた施策の延長であり、最近のはやりとも言えるサテライトオフィスの誘致やインバウンド観光の推進、Uターン、Iターンの促進、婚活パーティーの開催、農業の六次産業化、企業誘致などが盛り込まれております。日本全体で人口減少が進む中で、同じような移住定住促進政策をとっており、若い世代の奪い合いになっている様相を呈しております。 一方、地方の過疎地域では人口減少が地域の存続を左右する状況にございます。その地域に暮らし続けようという人たちがいたとしても、小売店やスーパー、ガソリンスタンドなどが消え、公共交通機関や介護などのサービスの維持ができない状況にございます。結果として、地域コミュニティーが崩壊する危機に瀕しております。地方消滅という言葉にあおられまして、さも地方から誰もいなくなってしまうと錯覚をし、慌てて若者を呼び込もうとしても、暮らしが続けられる環境が整わない限り、移住した若者たちでさえも早晩出ていくことになってしまいます。 私は、十数年前に人口の少ない北欧を旅して本当に感じたことは、人口減少が進む日本で重要なことは、大都市、地方を問わず時代に合った地域をつくり、若い世代が将来希望持って生計を立てられる安心な地域社会の構築であり、人口が減っても暮らし続けられる、そんな魅力ある地域づくりが大切ではないかと感じました。 そこで、知事は昨年、全国知事会で東京一極集中に歯どめをかけるべきだと訴えられておられます。また、県では「清流の国ぎふ」創生総合戦略に基づき、現在、大都市圏での移住交流拠点の開設や移住者に対する県市町村の支援体制の充実を図っておられますが、さらなる大都市圏からの移住定住を促進するために今後どのような施策を講じていかれるのか、古田知事にお伺いをいたします。 続きまして、地域おこし協力隊の評価と活動に対する支援についてお尋ねをいたします。 この問題につきましては、平成二十六年九月定例会でもお尋ねをいたしました。その当時、地域おこし協力隊を活用した事業効果や現状と課題、県の関与及び市町村への支援などについて質問をいたしました。しかし、あれから二年半が経過をし、再度質問をさせていただきます。 ここで、県民の皆様方に簡単に地域おこし協力隊制度の概要について御説明をいたしますと、地域おこし協力隊は総務省が平成二十一年から始めた制度で、都市部の若者を過疎地域に一定期間移住させ、地域おこし活動をしながら移住定住をしてもらおうというもので、隊員の任期は一年以上、最長三年となっております。また、隊員一人当たり年間二百万円から二百五十万円の報酬などが国から特別交付税で自治体に財政支援をされます。制度の開始以来、各地での取り組みが話題となり、平成二十一年度には三十一自治体、八十九人であった隊員が、平成二十七年度の統計では六百七十三自治体、二千六百二十五人が現在活動いたしております。そのうち隊員の八割は二十代から三十代、四割は女性であります。同省の調査結果によりますと、任期終了後に約五割の隊員が同じ市町村内に定住をしておるというふうに聞いております。県内では、私の地元本巣市の四名を初め、山県市、恵那市、飛騨市など十三市町村に五十六名の隊員が現在赴任して活動をしていただいております。 例えば本巣市では、根尾地域を拠点に二人が赴任をし、一人の方は科学技術教育などの研究経験を生かした地域との域学連携の活動を展開し、また一人は森林セラピー基地を活用した地域の活性化に取り組んでいただいております。また、外山地域を拠点に二人の隊員がおりますが、一人は空き家と遊休農地の利活用で地域の活性化活動を支援し、また一人の方は、樽見鉄道神海駅の旧駅舎を活用した地域コミュニティーの維持活動を支援いただいております。岐阜県では同一市町村内への定着率は全国よりも少し悪いようですが、四〇%となっております。 総務省が肝いりで始め、平成二十一年の制度創設以来八年間が経過をし、二百億円を超える巨額な国費を投じて行われている地域おこし協力隊でございます。移住定住や過疎地域の活性化に私は貢献してもらいたいと考えております。 そこで、全国どの地域でも同じような問題を抱えているとは思いますが、地域おこし協力隊に対する評価と、今後、移住定住を促進し、過疎地域の活性化につなげるための活動支援について、清流の国推進部長にお尋ねをいたします。 続きまして、高齢者の免許返納への環境づくりについて、二点お伺いをいたします。 昨年の九月定例会で、高齢者講習受講者の増加に伴う今後の対策と改正道路交通法に伴う課題への対応について、警察本部長にお尋ねをいたしました。今回は、高齢運転者が免許を返納しやすい環境づくりについてお尋ねをいたします。 最近、高齢者が運転する車が建物や歩道に突っ込むなど、死傷者が出る悲惨な事故が発生をいたしております。私も実際に道路を走行中に、センターラインを超えて運転をする高齢ドライバーを目にいたしております。 平成二十七年末現在、運転免許保有者数は八千二百十五万人を超え、そのうち六十五歳以上のドライバーは約千七百十万人で、免許保有者全体の二割を占めております。また、六十五歳以上六十九歳までの免許保有者数は、我が国の六十五歳以上の高齢者の約半分を占め、七十五歳以上では約四百八十万人もお見えになります。高齢者の運転免許保有者数は今後も上昇することが見込まれ、加齢による身体能力の低下から操作のおくれや操作ミスなどが生じて事故を起こすこともあると自覚することが求められ、私たちも人ごとではありません。 警察庁の調査では、七十五歳以上の運転者による死亡事故者数は、ここ数年、毎年四百六十件前後起きており、全体の交通死亡事故件数は減少ぎみにあるのに対しまして、高齢者の交通死亡事故は一割を超えてふえ続けております。七十五歳未満の約二倍といいますから要注意であります。警察では今まで以上に認知症検査体制や認知症に係る医師の診断体制の充実が必要になってまいります。 そこで、今回は高齢運転者が免許を返納しやすい、そんな環境づくりについて、二点お伺いいたします。 まず最初に、高齢運転者が自主的に運転免許を返納する意識を高める取り組みについてお尋ねをいたします。 認知症のおそれがあるから免許証を返納しなさいと言われても、きのうまで運転をしていた人が公共交通機関が少ない地域では車がないと買い物や通院なども支障を来します。また、車の運転を趣味や社会参加を続けるための手段として、またあるいは運転自体を楽しみとしている人もお見えになります。 しかし、家族が見ても、この車の運転状況では危ないと感じたら、免許を返納させないと大変なことになりかねません。多くの自治体では、自主返納を促すためにさまざまな取り組みがなされております。最近の報道によりますと、県交通安全協会では、四月一日から運転免許証を自主返納した人を対象に、免許証のかわりに発行される運転経歴証明書の申請手数料全額千円を助成すると発表いたしました。この運転経歴証明書を持つ高齢者に対しましては、県内でもタクシーやバス運賃の割引を行っておりますが、他県では商店での買い物や飲食店での食事の割引など、地域や企業等の協力を得ながら実施をしている自治体もございます。こういったサービスを充実することで免許の返納者がふえたという自治体もございます。 高齢運転者を取り巻く課題につきましては、地域の住民や関係者で共有をし、正しい理解を促し支援体制をつくっていくことが大切だと考えております。 そこで、環境生活部長にお尋ねをいたします。 高齢運転者が自主的に運転免許を返納する意識を高めるために、県としてどのような取り組みでいかれるのか、お尋ねをいたします。 また二点目として、認知症高齢者を支える取り組みについてお尋ねをいたします。 認知症高齢者が免許を返納した場合、本人の運転に関する身体能力の正しい自覚や周囲の人の理解、また運転にかわる移動手段の確保など、当事者だけではなくて、地域の関係者が連携をし、地域全体で支える取り組みが求められます。 三月十二日から--来週の日曜日ですけれども--施行されます道路交通法の一部改正によりまして、七十五歳以上の認知機能検査が大変厳しくなってまいります。このことによって、認知症のおそれや認知機能の低下のおそれなど、程度こそあれ自覚される高齢者がふえてくることが予想されます。しかし、認知症により家族が一方的に危険だから免許証を取り上げるということではなくて、本人の状況やこれまでの生活、家族の状態、状況などを踏まえた上で、本人の尊厳を十分配慮した対応が求められます。 免許返納後の高齢者の生活を支える仕組みとして、買い物支援や移動支援サービスなどが必要になります。そのために、地域包括支援センターには日ごろから警察や運転免許センターとの連携を図り、認知症高齢者本人や家族への相談支援体制の充実が求められます。 そこで、健康福祉部長にお尋ねをいたします。 道路交通法一部改正の後の免許更新をきっかけとして、認知症と診断をされたり、認知症を自覚して免許の返納を考える高齢者を支えるためには、今後どのような取り組みを行っていかれるのか、お尋ねをいたします。 続きまして、木質バイオマスエネルギーの活用と燃料となる木材の供給体制について、二点お尋ねをいたします。 平成二十四年度に策定をした第二期森林づくり基本計画が今年度で終了いたします。平成十八年の全国植樹祭に始まり、全国豊かな海づくり大会、全国育樹祭などさまざまな事業が展開をされました。山、川、海のつながりを実感し、古田知事の言われる「清流の国ぎふ」が誕生したと理解をいたしております。 特に、第二期森林づくり基本計画では、林業経営を重視した生きた森林づくりと、環境を重視した恵みの森林づくりが展開されました。現在、第三期岐阜県森林づくり基本計画を策定中ですが、木質バイオマスの活用と燃料となる木材の供給体制についてお尋ねをいたします。 さて、林内を見てみますと、今まで間伐されてもC材、D材と呼ばれるものは搬出コストを考えたときに利用されずに放置をされ、またA材、B材を取った残りの枝や根元の部分の未利用材も放置をされておりました。県内では伐採された木材のうち約六割が林内に放置をされており、その有効利用が求められてきました。そこで、県では平成二十六年度に、森林の持続的経営を進めるために再生可能エネルギーの固定価格買取制度、いわゆるフィードインタリフ制度を活用し、木質バイオマスにおける産業化を促進し、総事業費二十六億七千万円をかけて木質バイオマス発電施設を瑞穂市に建設し支援をしてまいりました。 県内には、以前より川辺町や白川町に木質バイオマス発電施設がございますが、ここは建設廃材等の木質資源の利用を進めており、間伐材等の未利用材を主たる燃料とする木質バイオマス発電施設では県内初となりました。この施設の木材使用量は年間九万立方メートルで、売電率は五千キロワット級です。一般家庭に直しますと一万一千世帯分の発電能力がございます。 今まで林内に放置をされていた未利用材や一般木材を燃料とし、施設稼働当初、平成二十七年度は計画量六万立方メートルの未利用材がなかなか集まらず、使用量は約半分にとどまっておりましたが、今年度は順調に燃料が調達されており、ほぼ計画どおりに稼働しておるというふうにお聞きをいたしております。 しかし、林業事業体からは、現在集めやすい場所からの燃料用の木材が優先的に集められており、今後はさらに山の奥のほうでの伐採となれば搬出コストが赤字になる。このままでは所有者へお金を返すことができないという危惧の声も聞かれております。今後、木質バイオマスエネルギーの活用を促進するために、未利用材の搬出を促進し、需要先へ低コストで生産をし、安定供給していく仕組みづくりが必要ではないかと考えます。 そこで、林政部長にお尋ねをいたしますが、一点目として、安定供給体制の構築に向けて木質バイオマス燃料の生産コストの低減について、どのように考えておられるのかお尋ねをいたします。 続きまして、二点目の森林所有者の経営意欲を高めるための地産地消型木質バイオマス利用施設整備についてお尋ねをいたします。 県では、森林・環境税を活用して、市町村と地域住民が一体となって森林内に放置された未利用材の搬出に支援を行っております。この事業は、低炭素社会の構築に貢献をしているほか、山村地域の自伐経営を行う森林所有者の重要な副収入となっております。しかしながら、その事業実施につきましては、現在九市町村二十一地区にとどまっており、その原因として、身近に搬出した木材の需要先がないことが考えられます。 一方、平成二十七年度、飛騨地域の高山市では、温泉施設の重油ボイラーを小規模な木質バイオマスボイラーへ変換する事例があり、地域で生産された木質バイオマスが地域内で利用される木質バイオマスの地産地消の取り組みが進んでいるようであります。これらボイラーに利用する木材はせいぜい年間一千トン程度であります。十分地域の森林から供給できるのではないかなと思っております。 このような木質バイオマス利用施設が県内各地域にできれば、森林・環境税事業を実施する地域が増加をし、森林所有者が積極的に森林整備を行うようになるのではないかと考えます。これからは燃料の輸送コストを考えて、地域内で燃料生産及び燃料供給をし、地域内でエネルギー利用できるような、そんな仕組みづくりが必要になるではないかと考えております。 そこで、林政部長にお尋ねをいたしますが、県として平成二十六年度に大規模なバイオマス発電施設を整備したところでありますけれども、このように森林所有者の経営意欲を高め、林業再生と山村地域の活性化に貢献できるような地産地消型の木質バイオマス利用施設整備について、どのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 最後に、ジビエの販路拡大に向けた取り組みと今後の進め方についてお尋ねをいたします。 昨年度、ジビエの利活用に向けた県の取り組みや支援について、県議会で質問をさせていただきました。これを受けて、県では今年度、安全・安心なジビエの確保に向けて、解体処理施設や講習会などを開催したり、消費者へのPRとしてジビエグルメグランプリなどを実施したとお聞きをいたしております。 地元の本巣市でも、一般社団法人里山ジビエ会が昨年、国・市の補助金を活用してジビエ食肉加工施設を建設いたしました。今まで捕獲をした鹿やイノシシは山中に埋めたり自家消費をしておりましたけれども、高齢化とともに残骸処分に大変難儀をいたしておりました。しかし、処理施設の建設でスピーディーな食肉処理と衛生面からも安心・安全な食肉販売ができると、猟師さんたちは捕獲に意欲が増しておるというふうに聞いております。 現在、施設は年間四百頭を目標に十一月から本格的に稼働いたしております。施設運営に当たっては、猟友会会員が中心となって行っておりますが、しかし、お話を伺っておりますと、経営は大変厳しいようでございます。処理施設の収入は、捕獲者がイノシシや鹿を持ち込んだ際に支払われる解体処理費や獣肉の売り上げ、市からの委託事務費などによっております。こうした収入で人件費や固定資産税、光熱費などを賄っているそうですが、この状況を改善するための一番の課題は、やはり販路拡大だということでございます。 その対策として、ことしからソーセージや薫製などの六次産業化に取り組んでこられ、また高速道路のサービスエリアでの販売やふるさと納税の返礼品としての利活用なども今後考えていくというふうにお聞きをいたしております。 ジビエは地域の有効な資源として注目をされ、本巣市内においては鹿肉を一頭買いするフランス料理店も出てきております。今後、流通量の増加とともにさらなる発展が期待される中、販路開拓が大きな問題になってくるものと思います。 そこで、農政部長にお尋ねをいたします。 県として、ジビエの販路拡大に向け、これまでどのような取り組みを行い、今後どのように進めていかれるのか、お尋ねをいたします。 以上、今回は大きく分けまして四点の問題につきましてお尋ねをいたしました。どの問題も県政にとりまして大変大切な問題ばかりでございます。どうか誠意ある御答弁をよろしくお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○副議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 地方創生に関連しまして、大都市圏からの移住定住の取り組みについてお尋ねがございました。 全国人口の四分の一を超える東京圏への一極集中の是正は地方創生を実現する上で極めて重要な課題の一つでございます。県では平成二十七年十月に、「清流の国ぎふ」創生総合戦略を策定しておりますが、その中で五年間で六千人の移住定住者を岐阜県に呼び込むことを目標にしておるわけでございます。このため本県への移住者の約八割が東京を初めとする大都市圏からであることから、東京、大阪、名古屋に移住相談拠点を設け、移住情報の発信や相談会を行うとともに、移住者を受け入れる市町村向けの研修会を開催するなど、情報発信と受け入れ体制の強化と両面で進めてきております。 また、大都市圏の移住希望者を対象に、地域での生活を体験していただく暮らし体験ツアーを開催しておりますし、また移住定住のための住居として空き家を活用する場合の改修費についても支援を始めたところでございます。このほか地元の金融機関と連携協定を結びまして、移住セミナーの共同開催、県外店舗での移住PRコーナーの設置など、御協力をいただいております。 こうした取り組みによりまして、移住者数は調査を開始した平成二十二年度の百六十五人から平成二十七年度は千百二十九人と年々増加しておりまして、全国でもトップクラスになっております。今後、この勢いを加速していく必要がございます。 そこで、来年度は若者のUターン就職を支援するため、今年度から開始した「清流の国ぎふ」大学生等奨学金制度を拡充し、貸与対象となる学校に専修学校を加えるとともに、新規貸与人数を百人から百二十人に拡充いたします。 また、県内には郡上市のふるさと郡上会を初め、過去に移住してきた方々が新たな移住者に対してきめ細やかな支援を行う団体が多くございます。こうした団体の取り組みに対する助成制度を創設するとともに、移住希望者の多様なニーズに対応できる移住定住サポーター--これは仮称でございますが--の登録体制を整備してまいります。 さらに、本県には恵まれた自然環境を生かした農林業や古くから盛んなものづくり産業など、魅力的な働く場がありますが、今やこれらの分野で担い手不足が深刻な課題になっております。そうした中で、例えばいわゆる岐阜県方式による新規就農者育成では、県外からの移住者が二割強を既に占めておるということでございます。そこで、来年度から新たに設置する岐阜アグリチャレンジ支援センターや、中小企業総合人材確保センターなども活用しながら、移住者をターゲットにした担い手確保対策も積極的に進めてまいりたいということでございます。 ○副議長(佐藤武彦君) 清流の国推進部長 神門純一君。    〔清流の国推進部長 神門純一君登壇〕 ◎清流の国推進部長(神門純一君) 地域おこし協力隊についてお答えをいたします。 都市部から地方へ移住して地域活性化に取り組む地域おこし協力隊は、創設から八年が経過し、県内では現在五十六名の隊員が各市町村の求めに応じて、みずから創意工夫をしながら地域の活性化に向け活躍をしておられます。 これまでに任期を終えた隊員については、三十四人のうち十六人が活動した市町村に定住し、観光協会やまちづくり団体へ就職して地域のPRに従事したり、起業してカフェやゲストハウスを経営するなど、引き続き地域の中で活躍しておられます。 県では、これまで活動中の隊員と地域に定住した元隊員との交流の機会を設けるとともに、経済的な自立に向けて起業のためのビジネスセミナーの開催などを支援してまいりました。来年度はこれらの支援に加えて、市町村が隊員の定住のために行う取り組みに対して、その経費の一部を助成する制度を創設したいと考えております。 引き続き、団員がその地域に定住し活躍していただけるよう、市町村とともに支援をしてまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 環境生活部長 桂川 淳君。    〔環境生活部長 桂川 淳君登壇〕 ◎環境生活部長(桂川淳君) 高齢運転者の自主返納の意識を高める取り組みについてお答えします。 県では、高齢者の運転免許の自主返納を促進するため、警察本部や市町村と連携して、大きく二つの取り組みを進めております。 まず一つ目といたしまして、免許を保持している方に対し、毎年春に開催する交通安全県民大会や季節ごとの交通安全運動、地域の自治会、老人クラブでの交通安全出前講座、高齢者世帯訪問事業などを通じまして、運転に不安を感じる場合には自主的に返納していただくよう広報啓発を行っています。 二つ目といたしまして、返納される方に対し返納後の外出に不便のないよう、例えば県バス協会、県タクシー協会などへ返納者への運賃割引サービスの提供といった支援措置に御協力いただくよう働きかけるなど、返納しやすい環境づくりを進めています。 今後も警察本部や市町村との連携をさらに深め、加齢に伴う身体機能の低下が運転に及ぼす影響や、返納後に受けられる支援などについて広く周知しつつ、免許返納者への支援の拡大を図り、県民全体の意識向上に努めてまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 健康福祉部長 尾藤米宏君。    〔健康福祉部長 尾藤米宏君登壇〕 ◎健康福祉部長(尾藤米宏君) 認知症高齢者を支える取り組みについてお答えいたします。 認知機能検査強化などの道路交通法改正により、医療機関への受診を考える方や今後の生活に不安を持つ方、また運転免許の返納を考える方など、さまざまな悩みを持つ方の増加が予想されます。こうした方々には市町村の地域包括支援センターが中心となって、警察等関係機関と連携し対応していくこととなります。 このため、県といたしましては、地域包括支援センターが適切に対応できるよう、道路交通法改正の内容や認知症の専門医療体制に関する研修のほか、医療機関も参加する個別事例検討会を開催するなどして、センター職員の対応力強化を図ってまいります。 また、認知症の方への生活支援につきましては、市町村において介護保険給付以外にも地域支援事業によりまして、移動支援や配食サービスなどが実施されています。県としましては、これらの生活支援サービスがさらに充実するよう、課題の検討や先進的な取り組み事例の紹介を行うなど、市町村を支援してまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 林政部長 瀬上繁隆君。    〔林政部長 瀬上繁隆君登壇〕 ◎林政部長(瀬上繁隆君) 木質バイオマスエネルギーに関し、二点お尋ねがございました。 初めに、木質バイオマス燃料の生産コストの低減についてお答えをいたします。 木質バイオマス燃料の安定供給に当たっては、単に山から未利用材だけを搬出するにはコストが割高であること、また未利用材は曲がり材や枝葉など容積が大きくかさばるため、運搬コストも割高といった課題があります。こうしたことから、搬出と運搬の両面からコスト低減を図る取り組みを推進していくことが必要と考えております。 このため、簡易に架線集材が可能なタワーヤーダを活用し、根元から枝葉まで一本の木を丸ごと道端まで搬出する全木集材技術を普及してまいります。また、その場で集材した材から燃料用チップを製造するため、作業土場の設置費用や作業土場までのチップ製造機械の運搬費用の一部を助成してまいります。 次に、森林所有者の経営意欲を高めるための地産地消型木質バイオマス利用施設整備についてお答えをいたします。 森林所有者の経営意欲を高めていくためには、伐採地からより近い場所で木質バイオマス燃料として活用し、運搬コストを低減することで森林所有者の利益をふやすことが期待できる地産地消の取り組みが有効であると考えております。 このため、来年度からスタートする第三期岐阜県森林づくり基本計画に地産地消型木質バイオマスエネルギー活用プロジェクトを掲げ、今後五年間で県内十地域を目標に地産地消型の木質バイオマス利用施設の整備などを支援してまいります。 具体的には、電気は施設周辺で利用し、熱は近くの温浴施設やハウス栽培で利用するなど、地域の電力や熱の需要に合わせた中小規模の施設整備を支援してまいります。また、燃料の安定供給のため地域ごとに木材生産者や燃料製造者、木質バイオマス利用者等から成る協議会の設置を支援してまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 農政部長 高木敏彦君。    〔農政部長 高木敏彦君登壇〕 ◎農政部長(高木敏彦君) ジビエの販路拡大に向けた取り組みについてお答えします。 本年二月、県内を中心とする飲食店三十六店舗で、ジビエ料理を提供する森のごちそうフェアを開催した結果、全ての店舗において、例えば鹿のスペアリブといったような新しい料理メニューが定番化されたところでございます。また、県内の高校と食品企業が共同開発した鹿肉のレトルトカレーが道の駅やカレー専門店など三十五店舗での販売が始まっております。 ジビエのさらなる発展に向けましては、これら取扱店舗の拡大とともに、魅力を広く消費者にPRすることが今後の課題と考えております。 このため、県内外の飲食店を招いての商談会の開催や集客力の高いサービスエリアのレストランへの売り込みを行うほか、ジビエ料理のおいしさを競うグルメグランプリを開催してまいります。あわせてジビエの安定供給に向けまして、処理加工施設の整備を進めるとともに、岐阜大学と連携した安全でおいしいジビエの解体技術を学ぶ講習会なども開催をしてまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 十四番 長屋光征君。    〔十四番 長屋光征君登壇〕(拍手) ◆十四番(長屋光征君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきたいと思いますが、今回は、最初の質問が若い皆さん方が県内で頑張っている、そんなお話をさせていただきたいと思っておりますので、そんな若い人が、昨日すばらしい成績を残してくれたというお話をまず最初にさせていただきたいと思います。 昨日のスペインで行われた二〇一七年フリースタイルスキー世界選手権大会に出場をした本県の揖斐郡池田町出身の堀島行真選手が、日本男子として初めて世界大会で金メダルをとられたというすばらしいニュースが入ってきたとともに、その選手が本県のオリンピックアスリート強化指定選手だということで、非常に喜ばしく、また今度の冬季五輪での活躍を期待するものであります。 こういったスポーツの世界で頑張っている皆さんもお見えになれば、しっかりと勉学に励んで、今後の岐阜県の将来のために頑張っている子供たちもいるわけであります。 最初の質問は、今年度、本県教育委員会が取り組まれたスーパーハイスクールセッションの成果と今後の取り組みについてと、県政に対する若者の意見を受け入れるための体制整備について、それぞれ質問をさせていただきたいと思います。 スーパーハイスクールセッションは、文部科学省の認定を受けたスーパーサイエンスハイスクール、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール、スーパーグローバルハイスクール並びに本県独自のスーパーグローバルハイスクールの指定を受けている各七校の生徒さん五十名以上を一堂に集め、互いの研究成果を生かして連携をし、自発的で自由なアイデアを出しながら、新たな事業展開につなげられる取り組みを行うことを目的に実施されたもので、昨年度、私が議会で取り上げた者の責務として授業を視察させていただいたり、若手の国会議員やアメリカから来た政治関係者とも授業を視察させていただきました。 今年度は、生徒の皆さんが「岐阜県をもっと元気にする方法を考えよう」をテーマに本県の観光や地場産業の創出について授業を通じて議論をしていただき、プレゼンをしていただきましたが、高校生らしいさまざまなアイデアが出てきたことに感心をしたのと同時に、ふだんならかかわることのない地域や、学んでいる科目が違う高校生が集まり議論をするだけで、さまざまなアイデアが出てくることに驚きました。県内各地から集まった高校生の皆さんから出たアイデアの中には、岐阜県の観光には追い風が吹いているので、魅力度の向上や観光入り込み客全国十一位と魅力度ランキング四十位を比較し、観光改革、高校生観光案内、商品販売、各高校がつくった商品を開発したらどうかや、活気あふれる岐阜県イコール岐阜を知ってもらう。そのためには、現在多くの人が所有をしているスマートフォンやタブレット端末を利用して高校生にIDを付与し、ウエブサイトを運営してもらい、SNSツーリズムコンテストを開催し、観光客に対するアプローチをしたらどうかや、東濃地方の生徒から出たアイデアで、東濃地方の郷土料理でもある米粉のお菓子、からすみを商品にし、一般の皆さんが想像をするからすみとは違うことを逆手にとって、商品開発をして道の駅やサービスエリアなどで郷土料理を発信してはどうかや、三十歳ぐらいになると、子育てや家、車にお金がかかりそうだから、将来税をつくり、義務教育期間中に将来税として積み立て、三十歳になっても岐阜県に住んでいたら五%を上乗せして返す。住んでいなかったら岐阜県が有効活用するなど、粗削りながらも本県を自虐的に捉えつつもそれを前向きに生かしていこうと考える若者らしい発想が次々と出てきました。 その授業で生徒さんに「スーパーハイスクール授業やハイスクールセッションは楽しいですか」と質問をしたところ、生徒さんからは、「そもそもの授業も楽しいし、セッションがなければ出会うことがなかった友達ができたことがうれしい。今後も続けてほしい」との感想がありました。 また、現在、本県で行っている各スーパーハイスクール事業は全国的にも評価が高いものが多く、この事業で学んだ生徒が大学に進学をし、サイエンスインカレで文部科学大臣表彰を受賞するなどの成績もおさめています。 こうした取り組みの中で考えた意見やアイデアが県に届き、実際に県行政に反映されることになれば、若者の本県への愛着がより一層強くなり、ずっと岐阜県に住みたいと思ってくれる人がふえるのではないでしょうか。また、大学進学のために県外に転居した場合でも、県内で就職しようと、あるいは県外で就職をしたとしても、いずれUターンで岐阜県に戻ってこようと思う若者もふえるのではないでしょうか。 しかしながら、本県には若者の意見やアイデアなどを受け入れる窓口がないのが現状であります。 古田知事も御自身の選挙期間中に、若者の意見を反映することの必要性に触れておられますし、昨年の議会で公明党の澄川議員の質問の答弁で、有識者会議などに高校生などの若い人たちに参加をしていただくことを検討される旨の御答弁をされておられました。 他の自治体での例として、高知県では、高校生や大学生を対象にし、部門に分かれて高知県の地方創生アイデアコンテストを開催したり、北海道の函館市や、福井県の鯖江市でも若者のアイデアを募集する事業をされております。政策コンテストや有識者会議などに若い人が参加することは、今後非常に重要になってくると考えますし、それが政治に関心を示すきっかけになるとも考えます。本県においても、若者のアイデアや意見をワンストップで受け入れる仕組みづくりを考えたらどうかと考えます。 そこで、教育長にはスーパーハイスクールセッションの成果と今後の取り組みについて、知事には県政に対する若者の意見を受け入れる体制の整備について、それぞれ御質問させていただきます。 まず、教育長にお尋ねをいたします。 今年度、教育委員会として取り組まれたスーパーハイスクールセッションは、我々が思いもつかないような発想が出るなどすばらしい取り組みだと感じましたが、この事業を教育長として、どのような成果があったと考え、また今後どのような取り組みをしていかれるのでしょうか。 次に、知事にお尋ねをいたします。 現在、他県等では若者の意見を行政に反映させるために政策コンテストを実施したり、若者に会議に参加してもらい、そこで考えられた意見を行政に反映をさせていただきますが、今後は本県においても、先ほど述べたようなスーパーハイスクールセッションでのアイデアや、これ以外の事業や取り組みにおいて、若い世代の皆さんから県政に対する思いがけない発想や意見が出てきた場合に、それを受け入れる仕組みを県行政の中に取り入れてはどうでしょうか。 次に、民泊新法--住宅宿泊事業法--の制定を見据えた県の体制整備について、知事にお尋ねをしたいと思います。 民泊については、私が一昨年の九月に違法民泊の本県の現状と条例整備などについて、昨年の六月議会には同期の高殿先生が県の方向性について質問をされました。 その後、国では民泊新法について地域の実情や闇民泊の現状把握を十分に行うことなく、また都道府県や市町村にしっかりとした新法の内容を説明することなく、あした閣議決定をされるとの情報もあります。今後、国会で議論をされ、早ければ今国会中に成立する勢いで進んでおり、早ければ来年度中にも施行される見込みであります。 前回の質問でも、私は違法民泊の危険性や民泊自体の制度の不透明性についてお話をしましたが、今さら「民泊に賛成ですか、反対ですか」と問うても無意味なため、今回は民泊新法の制定を見据え、本県における体制整備をしておかなければならないという観点から質問をさせていただきたいと思います。 民泊新法、これからは住宅宿泊事業法と呼びますが、その概要を御説明すると、大きく三つに分かれます。議場配付資料を御参考にお聞きをいただければ幸いであります。 一つ目は、住宅宿泊事業者に係る制度、これは民泊サービスを行う者は都道府県知事への届け出が必要であること。年間提供日数の上限を百八十日、泊とし、都道府県が地域の実情を反映する仕組みとして区域を定め、日数を制限する条例を創設することも可能とされております。 また、民泊には家主居住型と家主不在型の二種類があり、家主居住型、家主が宿泊施設にいる場合は、宿泊事業者に対して、宿泊事業の適正な遂行のための措置、安全面、衛生面の確保として、宿泊者の衛生確保の措置、避難機器設置等、外国語による利用法の説明、宿泊者の名簿の作成・備えつけ、近隣トラブルの防止として騒音防止等必要事項の宿泊者への説明、苦情等の処理、違法な無登録仲介業者の排除として、契約の仲介を委託する場合、登録を受けた旅行業者または住宅宿泊仲介業者への委託、合法民泊の明示として標識の掲示、年間定期報告を義務づけること。 家主不在型、家主が宿泊施設にいない場合、イメージは都市部にあるハウスメーカーの賃貸アパートなどの場合です。持ち主に住宅宿泊管理業者、メーカーに委託をすることを義務づけること。都道府県知事は、住宅宿泊事業者、持ち主に係る監督、業務改善命令、業務停止命令、業務廃止命令、報告徴収、立入検査を行うことです。ただし、都道府県にかわり、保健所設置市、政令市、中核市等、特別区は監督、届け出の受理を含む条例制定の事務を行うことができます。 二つ目は、住宅宿泊管理業者に係る制度であり、一つ目で述べた家主不在型で、個人から委託を受けたメーカーや事業者は国交大臣の登録が必要であり、その業者は先ほど述べたような措置を行う必要があり、国交大臣は委託業者に係る監督を実施することです。 一見、全ての管理が分かれているようにも見えますが、今後、宿泊者と近隣住民とのトラブルや事件、事故などの問題が多く発生をすることが見込まれ、そうした場合には、国土交通省が即時に対応をすることは現実的には難しく、実際には地元自治体が最初に対応することが求められます。このため、都道府県の指導監督業務が増加することは明白であります。 三つ目は、住宅宿泊仲介業者に係る制度であり、これは事業者と宿泊者の仲介をする業者のことで、これは観光庁長官の登録が必要で、仲介業者は仲介業の適正な措置が必要になります。また、制度上、百八十日とした年間提供日数も都道府県が、騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するために、条例により営業日数の上限を引き下げられるとされていますが、報道によれば、一泊二日の場合は一日と数えることになり、仮に一日おきに一泊二日のお客さんを泊めると、年間三百六十日の営業が可能になるという解釈もあるわけであります。 現状では住宅宿泊事業法が制定をされておらず、国も地方自治体も体制の準備ができていないのに、既に一部の都市部では、大手ハウスメーカーなどの民間業者がオーナーへの制度説明をし始めていることや、民泊仲介サイト世界最大大手のアメリカのエアビーアンドビーが宿泊税の代行納付システムなどを日本でも導入をする方針を明らかにし、民泊が解禁をされることを見据え、宿泊事業に参入する企業の動きが加速をしていることなどの動きが見受けられます。 今回の住宅宿泊事業法にあわせ旅館業法も改正されるため、現行法上の違法民泊の状況把握やその対応、違法民泊対策強化に向けた保健所等の体制整備の確保、現地機関や庁内関係課、市町村との連携強化が急務であると考えます。 そこで、知事にお尋ねをいたします。 今国会中に住宅宿泊事業法が制定されると思われますが、現段階でも民泊にかかわるさまざまな課題があり、違法民泊を取り締まれていない現状において、また既に住宅宿泊事業者が民泊を開始する準備を進められている中で、現在の本県の圏域ごとの体制や市町村の体制では、住宅宿泊事業者と近隣住民間でもトラブルが発生した場合や、住宅宿泊事業者の届け出件数が爆発的に増加をした場合の対応などの不安要素が多くあります。 こうした中、住宅宿泊事業法の制定を見据え、民泊の衛生面や安全面を確保するため、県として指導・監督体制の強化をどのように取り組まれていくおつもりでしょうか、お尋ねをさせていただきたいと思います。 最後に、農業と福祉の連携について、農政部長にお伺いをしたいと思います。 現在、我が国の農業はアメリカのTPP離脱、二国間交渉への不安と先行きが不透明な状況が続いており、また県議会でも各議員が取り上げているように、後継者不足の問題を抱えており、農業を取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。なお、中山間地域農業も都市型農業も状況は違えど、後継者不足は共通する問題であります。 国は二〇一五年に都市型農業の減少を食いとめるために、都市農業基本法を施行したり、後継者不足などで営農継続が厳しくなった所有者に配慮をし、二十九年度税制改正では、農業への従事を希望する人に生産緑地に指定をされた区域内にある農地を貸し出す場合において、相続税の納税猶予を適用するなどの検討をしております。また、市街化区域内の農地で税制優遇を受けられる生産緑地について、現行の面積五百平方メートル以上の指定要件を三百平方メートル以上に引き下げる方針も進めております。 小規模でも生産緑地に認定することで都市型農地の減少を食いとめ、また生産緑地内にレストランや販売所を設置できるよう法制度の改正を進め、都市型農業の発展を促し、農業振興を図ろうとしていますが、後継者不足ではなく、就業人口の減少問題もあるため、さらなる農業振興に向けた施策の推進が急務であるわけであります。 今議会でも就業人口の拡大や担い手不足の解消を図るため、農業分野における障がい者の雇用を促進することを目的とする障がい者農の雇用モデル支援事業が予算化をされ、議案として上げられております。 本事業については、議案説明会でもその概要について説明があり、健康福祉部の継続事業である福祉事業所と農業者をつなぐ障がい者農業参入チャレンジ事業と連携をし、(仮称)ぎふアグリチャレンジ支援センターが農業者と障がい者個人をつなぐ事業であるとのことですが、モデル事業とはいえ、まだまだ事業の内容が見えないところや疑問を感じるところが幾つかあります。 今回の質問は、この障がい者農の雇用モデル支援事業の取り組みについてと、本事業を単なるモデル事業としてではなく、今後、農業分野において障がい者の雇用が促進される事業としてしっかりと取り組んでいただけるように、障がい者の雇用促進が企業誘致の観点から、商工労働部等の他部局との連携の必要性について質問をさせていただきたいと思います。 なお、最近では農業分野における障がい者の雇用促進を農福連携とも呼ぶため、今回の質問の中では県が進める障がい者農の雇用モデル支援事業を農福連携事業と呼ばせていただきます。 まずは農福連携事業の取り組みについてですが、先ほど述べたように、農業者の高齢化や少子化に伴い、農業就業人口の減少が進み、新たな担い手の育成や確保が喫緊の課題となっております。一方で、障がい者の就労については健常者と比べて就業率が低く、また賃金も低いため、就業率の向上、賃金アップが課題となっています。 こうしたことから、双方の課題を解決するため、モデル事業として今回の農福連携事業を考えられたそうですが、将来的には障がい者の皆さんが自立ができ、健常者とともに農業の分野で生活をしていける制度を構築していく必要があると考えます。 本事業の推進体制に関して、さまざまな障がい者がいる中で、推進専門員やアグリトレーナーの人員が十分確保されているのか、障がい者の賃金を最初から二分の一以内で助成をしたり、送迎、労務管理などに障がい者の一人当たりの毎月三万円を助成することが補助金ありきではないか。健康福祉部が行う障がい者農業参入チャレンジ事業との違いがわかりづらいのではないかとも感じております。 障がい者の雇用促進では、企業には障がい者の就業促進のために法定雇用率を満たさなければならない義務があります。そのため、企業は障がい者の方を雇用しようと考えますが、実際には自社では障がい者が担える業務がないため、法定雇用率の不足に応じて納付金を支払っているのが全国の現状であります。さらに平成三十年度には、現在の法定雇用率二%が二・四%に引き上げられます。企業の規模が大きくなれば大きくなるほど雇用の人数が多くなるわけでありますが、先ほど述べたように、多くの企業が法定雇用率を達成できていないのが現状であります。 このような中、障がい者の就業的自立を目的とするとともに、企業に農地を提供し、企業が雇用した障がい者の方を農業に従事してもらい、農園の管理や障がい者の方の送迎、農作業の助言等の管理業務を行い、収穫物はその企業で消費をしてもらうという事業展開をしている民間事業者があります。また、障がい者の方の情報がわからない企業には紹介なども行っているとのことであります。この場合、障がい者の方は最低賃金で企業さんに雇用してもらえるため、自立支援にもつながるわけであります。 現在、多くの企業がその民間事業者を通じて農業に参入をしたり、地方自治体も土地利用などで協力をしています。障がい者の方の雇用促進や企業における障がい者の法定雇用率向上のため、今後こういった農福連携に取り組む企業がさらにふえていくことが考えられます。 そこで、農政部長に二点お尋ねをいたします。 一点目として、農福連携を図るためには、この推進体制の整備や障がい者の賃金などさまざまな問題や課題がありますが、県は障がい者農の雇用モデル支援事業をどのように取り組まれていくおつもりなのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。 二点目として、本来は障がい者の雇用と企業誘致の観点から、質問を商工労働部にしたかったわけでありますが、農地の話になりますので、連携という意味で農政部長に質問させていただきたいと思いますが、本事業の実施に当たり、また今後県内外の企業が農福連携により岐阜県内で農業に参入する場合に、商工労働部や健康福祉部と連携が重要であると考えますが、どのように取り組まれていくおつもりなのかを御質問をさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○副議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 二点御答弁申し上げます。 まず、県政に対する若者の意見を酌み取る仕組みづくりということでございます。 「清流の国ぎふ」づくりの全開は、県民の皆様に主役となっていただくことで初めてなし得るものと考えております。 そのため、各種有識者会議、意見交換会などにおいて、各界各層の皆様方の御意見を伺いながら、施策を立案し事業展開してきているところでございます。 そうした中で、次世代を担う若者たちと向き合い、その生の声を県政に酌み取っていくことは、「清流の国ぎふ」づくりを未来に大きく展開するためにも大変重要なことであるというふうに考えております。そのため、県の施策にも参加していただくよう、このところ、航空宇宙産業人材育成意見交換会、ぎふ少子化対策県民連携会議など十三の委員会に、新たに十代と二十代の百二十七人にメンバーとなっていただいております。その際、例えば航空機の全体像を把握するために高校で航空機のエンジンや機体部品を用いた実習があればよいといった御意見に対しては、来年度モノづくり教育プラザの第二期工事において対応し、そのような実物を用いた実習を行うこととしたところでございます。また、近いうちに広報課が窓口となり、県内の高校や大学などとも連携をし、十代、二十代を対象とした若者版県政モニター制度を新たに設けてまいりたいと考えております。 議員御提案のスーパーハイスクールセッションの成果等につきましては、県職員と高校生、大学生、社会人、あるいは若い女性といった階層別の若者による、いわゆる若者ガヤガヤ会議を新設し、地域振興や女性の活躍など若者の関心の高いテーマとして議論を深めていただき、施策に反映してまいりたいと考えております。 また、教育に関する施策を協議するため、一昨年から私と教育委員から成る総合教育会議を設置しております。今回のセッションも教育委員会のプロジェクトであるわけでありまして、その成果については、例えばこうした総合教育会議の場で生徒に発表してもらうことも一案であり、検討してまいりたいと思っております。 次に、住宅宿泊事業法の制定を見据えた県の体制整備ということでございます。 まず県内の現状でございますが、旅館業法の許可を受けていない違法民泊施設については、各保健所においてその把握及び指導に努めております。昨年末までに、無許可営業を行っているとして特定できた二十二の施設につきましては、保健所による指導の結果、仲介サイトへの掲載の取り下げ、または旅館業法に基づく営業許可の取得といったことで全て対応済みということでございます。今後とも違反の特定ができ次第、速やかに是正措置を行っていくわけでございます。 これに対して、今回、国においては、住宅宿泊事業法の制定及び旅館業法改正の二本立てにより、住宅宿泊事業者等の業務の適正な運用を確保しつつ、国内外からの観光旅客の宿泊に対する事業に的確に対応していく方針を立てておられます。この住宅宿泊事業法が制定されれば、県において住宅宿泊事業者からの届け出の受理、地域の実情を反映した営業日数制限条例の検討、そして宿泊者の衛生、安全の確保、外国人観光客への快適性及び利便性の確保を初め、住宅宿泊事業者に対して義務づけられた多岐にわたる措置にかかわる指導監督などの業務が発生いたします。また、旅館業法が改正されれば、無許可営業者に対する報告徴収、立入検査、業務停止命令等が新たに県の業務となる予定でございます。 このように、両法の成立後は、県において、ただいま申し上げましたような個別案件ごとの対処、各地域関係者との連携など相当量の業務量の増が想定されます。しかも、住宅宿泊事業法は、その具体的運用が政省令に委ねられる模様でございまして、不透明な部分が多々残されます。 このため、全国知事会としては国土交通省及び厚生労働省に対して、事務の効率的な実施のための手続の簡素化、体制整備のための準備期間、周知期間の確保、制度の施行に必要な財政措置等を強く要望することとしております。 本県としても、国会審議の推移や政府の対応を十分見きわめつつ、速やかに所要の体制を確保していかなければならないと認識しております。このため、まずは四月より健康福祉部に専任の担当者を配置することとしております。 ○副議長(佐藤武彦君) 教育長 松川禮子君。    〔教育長 松川禮子君登壇〕 ◎教育長(松川禮子君) スーパーハイスクールセッションの成果と今後の取り組みについてお答えします。 この事業は、スーパーグローバルハイスクール、スーパーサイエンスハイスクール、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの指定を受けた県立高校から意欲のある生徒たちが集まり、互いの研究成果を生かして自発的で自由なアイデアを出し合う取り組みです。 今年度は、「岐阜を元気にする方法を考えよう」をテーマに、各校の生徒たちが学んだ知識を社会と関連づけながら活発な意見交流を行い、議員御紹介のとおり、高校生観光案内所や商店街の活性化など、さまざまな地方創生に関するアイデアを発表しました。この事業を通して、生徒の地域課題への関心やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が高まったという声が各校から寄せられており、スーパーハイスクールの今後の取り組みにも生かされていくと考えております。 今後は、さらにより専門的な方法や知見を取り入れるため、大学や企業との連携を一層深めながら事業を継続することで、将来グローバルな視野を持って地域社会で活躍したり、科学技術の発展に貢献したりする生徒を育てる取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(佐藤武彦君) 農政部長 高木敏彦君。    〔農政部長 高木敏彦君登壇〕 ◎農政部長(高木敏彦君) 農福連携について二点御質問をいただきました。 まず、障がい者農の雇用モデル支援事業の取り組みについてお答えをします。 農福連携の取り組みは、農業者に御理解をいただけるものの、障がいのある方に関する知識やともに作業した経験が不足していることから、実際、雇用にまで至らない場合が多く見られます。 このため、今回のモデル事業では、まずは就労に関する橋渡しを行うため、園芸福祉サポーターなど、県下で百八十人程度お見えになりますが、そういった方などをアグリトレーナーとして農業者のもとへ派遣し、受け入れ側の不安を解消できるようにしてまいります。 さらに、農業者には少しでも安定した農業経営のもとで障がいのある方を雇用する意欲を持っていただくため、賃金の一部を助成するほか、例えば農場ハウス入り口の段差解消など、障がいのある方が安心して働くことができる環境整備などへの支援もあわせて行ってまいります。 今後、事業の成果も踏まえまして、必要に応じ見直しを行い、障がいのある方の継続した雇用につながるよう取り組んでまいります。 次に、他部局との連携についてお答えをします。 今回のモデル事業の実施に当たり、商工労働部と連携し、障がい者雇用企業支援センターが実施をします出前講座や受け入れ体制のアドバイスなどの支援策を農業者に対して周知してまいります。 また、健康福祉部との連携では、障がいのある方にとって取り組みやすい農作業の特定や作業環境の改善を進めるため、専門家から助言をいただく機会を設けてまいります。 こうした情報を農業者に対し、きめ細かく提供することで、障がいのある方が農業分野で生き生きと働くことができる環境を整え、より充実した雇用につなげてまいりたいと考えております。 なお、県内外の企業が農福連携を目的に農業参入される場合には、農地の取得及び賃借に係る地権者とのマッチングや、農作物の栽培に関する技術指導など、事業推進に必要な環境整備を支援してまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 三番 牧村範康君。    〔三番 牧村範康君登壇〕(拍手) ◆三番(牧村範康君) 議長より発言の許可をいただきましたので、事前通告に従い質問をさせていただきます。 まず最初は、中高一貫教育校についてであります。 長期の人口減少傾向により子供の数の減少が予測されており、本県における中学校卒業予定者数は、地域差はあるものの、平成三十一年度には二万人を切ると言われております。その後も長期的に減少が続くことが予想され、第二次岐阜県教育ビジョンが策定された平成二十五年度におけるゼロ歳児が中学校を卒業する平成四十年度には一万六千五百人程度となる見込みであります。 こうした中、平成二十六年度から三十年度までの五年間を計画期間とする教育振興基本計画として策定した第二次岐阜県教育ビジョンの中で、特に個別・重点的に取り組むべき重点施策の一つとして、中・長期的な将来を見据えた高等学校の改革が位置づけされ、生徒減少期に向け、活力と魅力ある高校づくりに向けた活性化策を審議するため、平成二十六年四月に岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会が設置され審議が重ねられてきました。 その結果、再編と統合の対象について、平成三十一年度までに三学級以下が見込まれる十校をグループ一とし、その後四十年度までに見込まれる九校をグループ二と分類したことは御承知のとおりであります。 グループ一については、各校に市町村関係者や保護者、学校関係者、地域の経済界・産業界代表らから成る協議会を設置し、活性化策を検討、実施、検証するよう提案。また、グループ二は原則として活性化を進める現在の取り組みを維持・発展するように求められました。 私の地域には、このグループ二の高校が二校あります。池田高校と揖斐高校であります。 揖斐高校は、連携型の中高一貫校として揖斐川町内の二つの中学校や地域と連携し、異年齢集団の交流や地域人材、施設を活用することで子供たちの学力と規範意識の向上、地域の子供は地域で育てるといった地域住民の意識の向上など一定の成果を上げてはおりますが、少子化のあおりを受け、生徒の減少に歯どめはかかっておりません。 こうした状況を踏まえて、池田高校では活性化を進めていく取り組みが進んでいます。具体的には、グローバル教育、福祉教育に重きを置いたユネスコハイスクールに認定されている池田高校と、現在ユネスコジュニアハイスクールに申請中の池田中学校の間ではさまざまな連携型に似た取り組みが行われております。 現在、一学年四クラスの池田高校もかつては最大で十クラスあり、不稼働の教室もあるのが状況であります。また、池田中学校は町内五つの小学校の就学先であり、一学年おおむね八クラスのマンモス校で、近年、教職員の労働環境は教科外活動、研究発表やさまざまな保護者への対応等により著しく悪化している現状であります。 そんな中、両校や地元行政、有識者からは、池田高校に併設型で三クラス程度の中等部をつくり、六年間一貫した外国語を中心としたグローバル教育、福祉教育、さらに部活動に一層力を入れていくことが池田高校の存続につながるのではないかという意見も出てきております。高校三年間で自分の将来を決める、あるいは探し出す、夢を持つ、そしてそれに向かって前進する。進学した先の高校生活の三年間でそれができる生徒もいるでしょうし、そこまでできなくとも、周囲の雰囲気から受験勉強をし、進学する生徒もいるでしょう。また、スポーツや自分の得意分野を伸ばす生徒もいるでしょう。しかし、中学入学時から六年間じっくりと自分の将来について考えることで、よりよい人生の設計図を描けることになるのではないかと思います。 全国に続々誕生する公立の小中高一貫教育への選択肢を持つ子供と持たない子供たちの間の格差は広がる一方で、このままでは教育の平等から遠ざかることにもなりかねません。 こうした教育格差を是正する手段の一つとして、併設型の中高一貫校があります。併設型中高一貫校は、六年間の一貫した一体的な教育課程や学習環境のもとで中等教育の一層の多様化を推進し、生徒一人一人の個性をより重視した教育の実現を目指すものであり、ゆとりある学校生活を確保した上で地域の教育資源を活用した学習や体験学習を通じた豊かな人間性の育成、社会のリーダーとして活躍できる資質や能力の育成などが期待できると言われております。六年間の一貫した教育課程と学習環境をつくることにより、学校生活にゆとりが生まれ、例えば高校受験のない三年目には海外語学研修を組んだり、六年目には進路対策に特化した授業を行うなど、個性を生かしながらも合理的で効率的な学習を進めることが期待できます。賛否のある併設型中高一貫教育ではありますが、私は教育の機会を均等に確保し、生徒の教育環境の選択肢をふやすためにも必要とされる地域においては、併設型で中高一貫教育を推進すべきと考えております。 とりわけ郡部においては、高校がなくなるということは地域文化や経済の活性化にとって大きなマイナスであり、地域の教育関係者も子育て世代の皆さんもグループ二にとどまっているうちにできる手だてを進めていくべきとの共通認識を持っております。もちろん空き教室の活用により、ハード面ではそれほどの負担はないということも考えられるからだと思います。そして一方で、これからの社会で活躍できる人材を育成するためにはグローバルな視野とコミュニケーション能力、論理的思考力と課題発見力や解決能力、社会貢献意識と地域愛を育むことが不可欠であることも認識した上で議論が進んでまいりました。 このような併設型の中高一貫校に関する質問は、平成二十八年二月、高木議員も質問されてみえます。 その際に、教育長は、千葉県や滋賀県などで進学校を併設型の中高一貫教育校等として改編・設置したことにより、いわゆる難関大学への合格者数が増加したという成功事例を示された上で、県教育委員会が実施した中高一貫教育に関するアンケート、こちらは平成二十七年二月に実施されたものですが、そのアンケートにおいて、県立の併設型中高一貫教育校等について、小学校六年生の約六〇%が「入学したいとは思わない」、その保護者の約五〇%が「入学させたいかどうかわからない」と回答しているなど、現状においてニーズは必ずしも高いとも言えないため、高等学校活性化計画策定委員会からは、国で検討が進められている大学入試改革などが高校教育に与える影響も見据えつつ、県民ニーズの変化を確認しながら検討を続ける必要があるとの御意見をいただいておりますと御答弁されております。 しかし、併設型の中高一貫校に対する情報が十分に伝わった上でのアンケート結果であったかどうかはいささか疑問であります。なぜなら、実際に地元の中学校の保護者の方々からは、「都会の子供はいろいろな中学を選択できるのに、田舎の子供は地元の中学に進学するしかほぼ選択肢がない」との意見を伺っておりますし、併設型の中高一貫校の事例や取り組みを説明した後で改めて尋ねると、「併設型中高一貫の中学があったらぜひ挑戦させたい」と言われております。 併設型中高一貫校は、現在、全国の公立私立合わせて四百六十四校あり、このうち公立は八十七校あります。特に関東の都立や県立高校では、近年、中等部の設置が進んでいるようですが、残念ながら東海三県には県立の併設型中高一貫校はありません。唯一、国立の名古屋大学教育学部附属中高等学校があるのみであります。 募集要項、スタッフの構成、優秀な人材の獲得方法、教育指針やカリキュラムなど、多くの決定しなければいけない事柄があるでしょうし、教育の根本である基本的な教育理念について十分検討し定めなければなりません。さらに先立つ資金についても検討しなければなりません。おおむね数年の期間が必要であると考えます。であるとすれば、まさに今、本県も必要である地域においては独自の併設型中高一貫校設置計画を立案し、地域の取り組みを支援する方向で進んでいかなければ、多くの先輩方が築いてきた教育先進県としての岐阜県は逆に教育後進県になってしまいます。そして、このことは、さらに今後数十年間にわたり人材という最も重要な資源を我が国が失うことにほかなりません。 また、今議会では地域連携による活力ある高校づくりの推進として、これまでのグループ一の十校に加えてグループ二の六校に地域と一体となった協議会設立に向けた予算を組んでいただいておりますが、改めて教育長にお伺いいたします。 県の教育行政における地方創生の一環としての併設型中高一貫教育校の設立について、その必要性をどのように認識し、設立に向けた地域の動きに対して、県としてどう対応していくのか、御答弁よろしくお願い申し上げます。 次に、二項目めの岐阜県障がい者総合支援プランについてに移ります。 本県では、近年の障がい者施策の目まぐるしい変化に的確に対応しながら、県の実情を踏まえ、県内の障がい者への福祉サービスのさらなる向上を図り、障がいのある人もない人もともに安心して暮らせる、人にやさしい岐阜県づくりの着実な進展を目指し、総合的な施策推進が図られるよう、岐阜県障がい者支援プランと岐阜県障害福祉計画を統合し、岐阜県障がい者総合支援プランを策定されました。 初めに、その中の地域生活支援拠点の整備についてお伺いいたします。 地域生活支援拠点は、障がいのある人の高齢化、重度化や親亡き後を見据え、障がいのある人や障がい児の地域生活支援を推進する観点から、障がい児・者が住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、さまざまな支援を切れ目なく提供できる仕組みを構築するため、地域の事業者が機能を分担して面的な支援を行う体制等の整備や地域支援のための拠点整備を積極的に推進していくことで、障がい児・者の生活を地域全体で支えるサービス提供体制の構築を図ることを目的とされてみえます。 この地域生活支援拠点の整備をすることにより、地域で暮らしている、または暮らすことを希望している障がい児・者やその家族が安心して暮らせるようになるとともに、市町村としても地域生活支援拠点をネットワーク化することにより、地域の支援体制づくりがされ、緊急時の対応を速やかに行うことができるようになります。 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。 一点目として、岐阜県障がい者総合支援プランでは、平成二十九年度末までに県内各圏域に少なくとも一カ所の生活支援拠点を設置することを目標として掲げてみえますが、現在の進捗状況と今後の方針についてお聞かせください。 また、国が障害福祉計画の基本指針で施設入所者数の四%減を打ち出しているのに対し、県のプランでは、本県の実態を踏まえ現状維持とされてみえます。こうした状況下、本県では十年以上新しい入所施設は設立されていません。その結果、現在のところ居住系のニーズに応えていくためにはグループホームをふやしていくしかないわけであります。 そこで二点目として、グループホームについてお伺いします。 グループホームの整備については、平成二十七年度の数値目標一千六十二人分に対して、実績が一千五十一人分であり、平成二十八年度の数値目標は一千百六十四人分となっていますが、現在の整備状況はどのようになっているのでしょうか。また、グループホーム整備に伴う介護人材の確保はどのように行っていくのでしょうか。 次に、障がい者の就労継続支援事業の充実についてお伺いいたします。 障がいのある方々が地域で安心して自立して暮らしていけるようにするためには、グループホームなどの住まいの確保だけでなく、日中活動の場の確保を初めとした日常生活を支援するさまざまな仕組みを充実させていく必要があります。中でも障がいのある方々が自分で働いて得たお金をもとに、みずからの生計を立てられるよう、また社会の中での役割を担うことにより、生きがいの充足、自己実現ができるよう就労面での支援を強化していくことが大変重要であります。そのためには、まず一般企業が障がいのある方々の雇用に積極的に取り組まなければならないことは言うまでもありません。 しかし、民間企業での採用枠は狭く、民間企業の法定雇用率の目標は、そもそも先ほどもお話がございましたように二・〇%であり、平成二十八年六月の本県における実雇用率は一・九五%であります。障がいのある方々の就労支援には、従来から県も体制を整え職場適応訓練などに取り組んでみえますが、ここでは一般企業への就職が困難であったり、離職後の再就職が難しい障がいのある方々に事業所内での生産活動を通じ、知識と能力の向上に必要な訓練を提供する就労継続支援事業について伺います。 この事業にはA型とB型があり、A型は利用者と雇用契約を結び、原則として最低賃金を保障します。B型は雇用契約を結ばず、工賃は平成二十六年度の全国平均で月額約一万四千八百三十八円であります。この工賃の低さはB型事業所が抱える大きな課題であります。つまり、障害のある方々にとって収入面で自立した生活ができる仕事につくことは大変難しいのが実情であります。 また、複数のグループホームの案内を見ても、親亡き後、障がいのある方々がグループホームなどで生活をするためには、食費や入所費用などの必要経費と消耗品などで月々十万円程度は必要になるようであります。障害基礎年金二級の方ですと、年金額が月額約六万五千円ですから、あと三万五千円の収入を確保しなければなりません。工賃月額の平均額である一万五千円程度を得ても、一カ月の必要額にはまだ二万円程度足らないわけであります。つまり、障がいのある方は社会人になってから貧困に悩む実態があるということであります。こうした状況から、障がいのある方々や保護者の方々からは、これでは生活していけないなどの切実な不安の声をお聞きいたしております。 雇用契約を結び、ある程度の収入が保障されるA型事業所は平成二十九年二月現在、県内に百十九事業所あります。そして、多くの方が働いていらっしゃるB型事業所は県内に百五十八事業所あり、平均工賃は平成二十七年度で月額一万三千百六十六円となっており、全国で四十三位であります。 そこで三点目として、健康福祉部長にお伺いいたします。 岐阜県障がい者総合支援プランによりますと、平成二十九年度末までのB型事業所の達成月額報酬目標は二万円となっておりますが、目標達成に向けた現状と取り組み内容についてお聞かせください。 また先日、私の地元であります揖斐川町の福祉作業所「いずみ」へお邪魔し、職員さんからお話を聞いてきました。こちらでは、二十名の障がい者の方々が石けんの製造や自動車部品の仕分け作業等を行ってみえますが、月額賃金は七、八千円で、ほとんどが昼食代で消えてしまうとのことです。皆さんは、当然ながらよい製品をつくって多くの人に取ってもらい、喜んで買ってもらいたいと考えてみえます。しかし、B型の多くは小規模な事業所であり、少ない運営費から商品開発やパッケージング、販路開拓にお金を回すこと、投資をすることは容易ではありません。どのようなものが売れ、どうすれば売れるかといったニーズを把握できないまま、つくられるものをつくっているところもあると思います。結果、受託業務の多くは単価が低く、受注先の経営状況や景気動向に影響を受け、受注量が安定しない。マーケティングに基づく新製品の企画開発や生産管理技術などの専門性の高い職業能力を持ち、利用者に対し技術指導ができる人材が不足している。企業と接点を持つ機会が不足しており、新たな受注機会が確保できない、専用の販売スペースを確保できる事業所が少なく、消費者が購入できる機会や小売店などからの作業発注の機会が限定されているなどの課題が浮き彫りになってまいりました。私は、このような諸課題解決のためさらなる行政の支援が必要であると考えます。 そこで四点目として、健康福祉部長にお伺いいたします。 障がい者が地域で自立した生活を営むための環境づくりを促進するため、就労継続支援事業をより充実させるべきだと考えます。そのために、事業所と地域や企業とのネットワークや、事業所間のネットワークの構築を支援していくとともに、市町村に対して事業所の取り組みに対する一層の協力依頼が必要です。この点に対しての具体的な方針をお聞かせください。 次に、三項目めの自転車保険についてお伺いいたします。 自転車は、免許が要らない身近な乗り物です。また、岐阜県内、とりわけ私の住む揖斐郡はもとより西濃圏域では自転車を活用したまちおこしが進んでおり、通勤・通学だけでなく、健康づくりや競技としても自転車ブームが到来をしております。 このように、自転車は便利で快適な乗り物として広く普及していますが、歩行者に衝突すれば相手を死傷させてしまう危険もあります。また、自転車であっても事故を起こすと刑罰の対象となり、被害の大きさによっては民事上数千万円の損害賠償を請求されることもあります。この賠償責任は未成年といえども免れることはできません。 こうした中、昨年六月には、伊藤英生議員が自転車保険の義務化の取り組みについて質問に立たれ、その必要性について研究するとの答弁が環境生活部長からありました。 また、お隣の長野県が自転車の購入者に損害保険の加入を義務づける県自転車条例(仮称)の制定を目指しているとの報道が先日なされて以来、自転車保険の義務化に関して複数の方から要望をいただいております。 近年、自転車事故に関し高額な損害賠償を命じる判決が相次いでいることがその背景であることは間違いないと思います。自転車に乗った十一歳の男子小学生が六十代の女性をはねて重い後遺症を負わせたとして、平成二十五年七月に神戸地裁が小学生の保護者に九千五百二十一万円の賠償を命じる判決を言い渡した事例は、ショッキングで記憶に新しいところだと思います。また、平成二十六年一月には、東京都大田区でスポーツ自転車の事故があり賠償額が四千六百万円。それ以前にも平成二十年には、男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線を直進してきた二十四歳の男性会社員と衝突し重大な障がいが残った事故で九千二百六十六万円。平成十九年には、信号無視した男性が横断歩道を横断中の女性と衝突し、頭蓋内損傷等を負った女性が十一日後に死亡した事故で五千四百三十八万円など、自転車事故を起こして高額な賠償責任を負う事例は枚挙にいとまがありません。 この長野県の条例制定の動き以前にも、兵庫県では平成二十五年に自転車保険の加入を義務づける条例を全国で初めて制定してみえますし、昨年には滋賀県や大阪府でも制定されるなど、現在、全国的にこうした動きが加速しているのが現状であります。先駆けとなった兵庫県では、自転車の安全で適切な利用促進に関する条例を平成二十七年四月から施行しました。最大の目玉は、自転車保険の加入を義務づけることで販売者に対して自転車損害賠償保険に加入しているかを購入者に確認させる義務を定め、加入が確認できない場合は加入を勧めるよう規定しています。また、保険加入の義務づけとあわせて、兵庫県は交通安全協会とタイアップして、「ひょうごのけんみん自転車保険」を開発しました。兵庫県の自転車保険はA・B・Cの三種類のプランがあり、賠償だけ、賠償プラス本人の傷害補償、さらに家族全員の補償という内容になっています。賠償限度額は一億円で、TSマークの附帯保険の二倍です。傷害保険はBとCについており、本人の補償額が一千万円で、TSマークの十倍です。年間掛金は千円から三千円までと安価で、コンビニで販売している自転車保険の保険料の半額だそうです。また、加入者は条例施行後の半年間で六万人を超えたそうです。さらに、県内各市町村では、掛金の助成や中学生を対象とした公費による一括加入も検討しているようです。 交通事故を減少させる観点からは、安全運転講座なども事故を未然に防ぐ上でとても重要ですが、万が一事故が起きた場合は、被害者、加害者の双方を救済する上で自転車保険が不可欠であると思います。 そこで、環境生活部長にお伺いいたします。 岐阜県でも自転車保険の義務化の必要性について研究が進んでいるようですが、県独自の自転車保険の加入を促進するための条例制定などに向けた進捗状況について、現在どのようになっているかお聞かせください。 以上で、私の質問を閉じます。御清聴まことにありがとうございました。    (拍手) ○副議長(佐藤武彦君) 教育長 松川禮子君。    〔教育長 松川禮子君登壇〕 ◎教育長(松川禮子君) 中高一貫教育校についてお答えします。 今年度延べ十五回実施した県立高校活性化に関する意見交換会において、各地域のPTA代表や市町村の首長部局を含めた参加者から、併設型中高一貫教育校を積極的に設置すべきとの御意見はなく、県民ニーズに変化はないと認識しております。 また、全国の事例では、地元からの進学者をふやし地域を活性化することを目的として、小規模校を改編し設置したタイプの学校については生徒募集に苦慮している状況も見られます。 議員御指摘の池田町の状況については、今年度四十名程度が池田高校へ、また交通の利便性のよさなどから百四十名程度が大垣市内の高校に進学しております。 こうした中、進路先が国公立大学から就職まで幅広い池田高校の活性化には、現在のさまざまな取り組みを生かし、中学生に選択してもらえる魅力をいかにつくるかが重要であると考えております。 なお、地域に併設型中高一貫教育校についての議論がある場合には、それに資するさまざまな情報を提供してまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 健康福祉部長 尾藤米宏君。    〔健康福祉部長 尾藤米宏君登壇〕 ◎健康福祉部長(尾藤米宏君) 障がい者総合支援プランに関しまして、四点御質問いただきました。 まず、地域生活支援拠点の整備に係る進捗状況等についてお答えします。 地域生活支援拠点は、障がい者やその家族が緊急時にすぐに相談でき、必要な対応が図られるよう、市町村が単独または共同で整備するものです。県内では、恵那市が平成二十七年十月から支援拠点を整備し、障がい者の相談に応じ活動の場を提供する取り組みを行っています。また、中濃圏域では、圏域十三市町村が共同整備に向けてどのような事業を行うかなどの枠組みを年度内に固める予定です。 県としましては、支援拠点の整備は障がい者の地域生活を支える上での重要な取り組みと考えており、市町村に対して、各圏域の自立支援協議会等を通じて積極的な整備を働きかけるとともに、来年度からは新たに五圏域ごとに専門の相談員を配置して、支援拠点の整備に向けた関係者間の調整や支援を強化してまいります。 次に、グループホームの整備状況等についてお答えします。 障がい者が地域で暮らす場として、県ではグループホームの整備を促進しており、本年度末の整備目標千百六十四人分に対しまして、本年一月現在の整備状況は千百二十三人分とおおむね計画どおりに整備が進んでおります。 また、運営に必要な人材について、県ではグループホームに配置する必要があるサービス管理責任者を十八年度から毎年約八十名養成するとともに、重度の方に対しても適切に支援できる職員を養成する研修を行っているところであり、今後も適切なサービスが提供できるよう、人材の確保・育成に努めてまいります。 次に、就労継続支援B型事業所に関してお答えします。 本県のB型事業所の月額平均工賃は、プランの目標値である二万円に対し、二十七年度で一万三千百六十六円となっております。この理由といたしましては、B型事業所は障がいが重く、雇用契約に基づく就労が困難な方が利用されており、また販路開拓や魅力的な商品開発のノウハウや知識が不十分なことから工賃が低くなっていると考えております。 このため、県では県社会福祉協議会を通じ、事業所の商品開発や販路開拓等の取り組みを支援する専門家の派遣、商業施設等での販売イベントの開催やホームページでのPR、複数の事業所による共同受注のあっせんなど各種の支援を行っております。また、障がい者就労施設等からの優先調達にも取り組み、昨年度は県全市町村で約一億四千万円余りを発注しております。 今後とも事業所のニーズに即した支援を行い、B型事業所の工賃向上に努めてまいります。 最後に、就労継続支援事業の充実に向けた方針についてお答えいたします。 県では、県内の五圏域ごとに事業所間の情報交換を目的としたネットワーク会議を設置し、就労支援に向けた講演や研修等を実施しております。 今後はこの会議を活用して、事業所からの要望を踏まえながら先進的な取り組みを行う事業所の事例紹介や就労支援事業所への発注に前向きな企業との意見交換会などを実施し、事業所間や事業所と企業とのネットワークの構築を促してまいります。 さらに、市町村の福祉部門のみならず商工部門の職員にも会議に参加いただき、地元企業の情報提供やマッチング、優先調達の促進に努めてまいります。 ○副議長(佐藤武彦君) 環境生活部長 桂川 淳君。    〔環境生活部長 桂川 淳君登壇〕 ◎環境生活部長(桂川淳君) 自転車保険についてお答えいたします。 県では、昨年七月以降、他県が条例制定に至った経緯などを本県の状況に照らし合わせて自転車保険への加入義務化への必要性を検討しております。 まず、警察庁の統計によりますと、昨年一年間の自転車対歩行者の事故件数は、条例で加入を義務化しております大阪府では二百八十九件、全国二位、兵庫県では百八十三件で全国四位という高い水準である一方で、本県ではわずか四件にとどまっているという状況がございます。 また、義務化前の保険加入率は、大阪府が四一・八%、兵庫県が二四・三%と聞いておりまして、本県の状況と比較するためにも県民の保険加入の現状を把握する必要があると考え、県内の自転車利用状況や保険加入状況など調査しているところですが、利用頻度が高い高校生の加入率はほぼ一〇〇%に近いものとなっているということでございます。 今後は国や他県の動向を注視しつつ、市町村等からも意見を聞きながら、本県での自転車保険への加入促進につながる方策について、引き続き検討してまいりたいと考えております。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(佐藤武彦君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。 明日は午前十時までに御参集願います。 明日の日程は追って配付いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 △午後二時五十二分散会 ……………………………………………………………………………………………...